働き方ガイド

2023/02/28

自分の思い通りの働き方を叶えられる!ママであることの強みを活かして仕事と育児を両立できるから、毎日が楽しい

“仕事と育児の両立”というと、「大変で苦労が多い」「女性ばかり不利な立場になる」と思われがち。実際に、苦労しているママも多いかもしれません。

しかし、いしど式加盟校の先生に話を聞くと、「自分の思い通りに働けるから仕事も育児も納得できるまでできるし、母親であることがむしろ強みになる」と言う先生ばかりです。

今回は、中澤珠算教室(杉並和田教室)の教室長・中澤嘉都美先生に、会社員時代から独立するまでのエピソードや、開校までの経緯、現在のライフスタイルなどをお伺いしました。

 

「今だからこそそろばんの先生になりたい」情熱と気持ちを大切に、育休を活用し開業を決意

 

──なぜそろばんの先生になろうと思われたのですか?

中澤:子どもの頃からそろばんを習っていて、いつかそろばんの先生になりたいという気持ちはあったのですが、当時は会社員として働いていましたので、退職後…20年〜30年後ぐらいかなと漠然と思っていました。ただ、6年前に出産をしたとき、「復職したとして、育児と仕事の両立って上手くできるのだろうか?」と不安を覚えたのです。1年ほどの育休後、復職はしたのですが、例えば今後さらに忙しくなったとき、きちんと子育てができるのか、そもそも自分はどう生きたいのだろうかと、人生について考えるようになりました。それで、育児休暇中にそろばんの先生の資格を取ろうと勉強を始めました。

──そもそも育児休暇中に資格は取れるものなのでしょうか?

中澤:工夫次第で取れると思いますよ。私の場合はe-Learningが利用できたので、息子が寝た後に勉強をしていました。実地研修に関しては、すでに復職していたので参加できるか心配しましたが、幸いにも有給がスムーズに取れましたので、2日間の研修に参加できました。

──中澤先生が働いていたのは、かなり大手の企業ですよね。待遇も良く、福利厚生も充実している会社を辞めることに反対の声はありましたか?

中澤:あることはありました。ただ、反対というよりも心配の声が大きかったと思います。「え、今からそろばん教室を始めるの?」「せっかく入った会社なのに、もったいない!」といった声が多数でした(笑)。ただ夫が「やりたかったらやってみば?」というスタンスで決して反対をするわけではなかったので「じゃあ思い切ってやってみよう!」となったのが、一つの理由ですね。確かに、手がかかる子どもがいる今という時期をあえて選ぶのか?とも考えましたが、子どもの手が離れるのって10年〜15年後ですよね。そのときまで、この“やりたい”という強い気持ちが続かないかもしれない、と思ったのです。もしかしたら二人目ができるかもしれないけれど、そのときはそのときで考えようと前向きになれました。

──退職から開業まではスムーズでしたか?

中澤:出産から1年3か月後に復職し、復職から半年後に退職の意向を伝えたのですが、会社や周囲は私の選択に対しては心配はされど、好意的でした。そのおかげで退職までの時間を使って開業の準備ができたというのはとても恵まれていたと思います。ただもちろん会社に迷惑はかけられないので、仕事が終わった後や子どもが寝た後などに、開業までの細かい仕事を進めていきました。ラスト2か月は有給消化ができましたので、その期間で開校説明会などをし、退職と開業がほぼ同時ぐらいのタイミングでした。

 

一人ひとりにきめ細かく声をかけ、生徒の成長が見られたときが何よりのやりがい

 

──なぜいしど式を選んだのですか?

中澤:やはり、沼田社長含め社員の方のお人柄ですね。加盟校の説明会に子連れで行ったのですが、社員の方がとても暖かく接して下さいました。また沼田社長もとっても素敵な方で、そろばん業界の現状を丁寧に教えてもらったので、安心感を得られたのも大きかったです。実際の教室も拝見したのですが、嘘偽りない今の様子がよくわかりました。教育の方針や理念に共感したのはもちろんですが、「この方たちと一緒に働きたい!」と思ったのが、加盟を決めた理由でした。

──杉並和田教室はどのようなポテンシャルがあると思われましたか?

中澤:もちろん、市場調査を元に、小学校や習い事教室の数なども調べました。ただそれ以上に、子育て中の自分が通いやすい場所だったというのが正直なところです。杉並和田教室は住宅地の中にあり、教室が開校したのを知らない方も多かったと思いますが、口コミで生徒さんのお友達が多く来てくださいました。「友だちの子どもが楽しそうに通っているから」と、ママ友の紹介もあり、順調に生徒さんが増えていきました。ブログやSNSでの情報発信を見て、体験学習に来て下さる方もいらっしゃいます。

──教室運営で心がけていることは。

中澤:なんといっても、生徒さん、親御さんとのコミュニケーションです。一人ひとりに合わせて接することを意識しています。生徒さんに関しては、学校やお家で怒られたりイヤなことがあったりすると教室で元気がなかったりするので、「今日はどうしたの?」と聞くなど、些細なことですが気遣いを大事にしています。親御さんに対しては、送迎でお話できる方には、今日どのようなことがあったのか、課題は何かを出来るだけお伝えしています。頻繁に教室に来られない方には、メールで用件をお伝えするだけでなく、「こんなことを頑張っていましたよ」「昨日はこういうことで喜んでいました」など、できるだけ生徒さんの教室での様子を+αで伝えることを心がけています。

──どんなときにやりがいを感じますか?

中澤:きっと先生なら誰でもそうだと思うのですが、生徒さんの成長が見えると本当に嬉しくてたまらないです。特に最初はやる気がなかったり、「つまらない」と言っていた子が、そろばんをできるようになって褒められたり、自分でできることがわかったりすると、パッと顔が明るくなるのですね。それがすごく嬉しいです。また、検定や大会で頑張って結果が出ると、私自身も感動しますね。

 

1日を「やり切った!」と終わらせられる。少しだけ余裕のある今の生活はとても魅力的

 

──二人目のお子さんをご出産されたのは35歳のときですね。教室運営の仕事とどのように両立されましたか?

中澤:妊娠がわかったときは本当に嬉しかったですが、「育休がない自営の今、仕事と折り合いがつけられるのだろうか?」と悩みました。教室をいったんお休みするという選択肢ももちろんあります。しかし私が仕事で大切にしていることとして、コロナ禍も含めて外部的な要因で生徒さんが学ぶのをストップさせたくないという想いがありました。ですから、私の個人的な事情で生徒の学びの機会を奪うというのは嫌だったのですね。そこで教室の他の先生方に相談したところ、私が完全に教室から離れる2か月間をしっかりと守ってくださったのです。出産後は週1回の出勤から始め、徐々に出勤日数を増やしていき、9か月ぐらいで完全復帰しました。その間も、親御さんにはメールで復帰のスケジュールを細かくお伝えしていました。

──ご家族の協力はどうでしたか?

中澤:夫とはお互いの仕事のスケジュールを細かく共有していて、お迎えや家事などたくさん分担してくれました。ただ心がけているのは、何かやってくれたときに「ありがとう、助かった」と、言葉にして表すようにすること。どうしても子どもに手が回らないときはシッターさんにお願いしたり、子どもが熱を出したときは他の先生にカバーをお願いしたりと、いろんな方の助けがなければ乗り越えられなかったと思いますね。現在進行形で周り方の力を借りているので、感謝しかないです。他の先生たちも子どもがいるので、何かあったときは私もができる限りサポートできたらと思っています。上の子は「ママとお話できなくて寂しい」と言う時期があったのですが、夫がうまく気を紛らわせてくれたり、私自身も二人だけの時間を作ったりして、家族との時間も工夫しています。

──ライフスタイルについてお聞きします。会社員のときと比べて、良かったことや不利だなと思った点はありますか?

中澤:授業があるので、会社員時代のような退社時間を早める時短というのはしづらいですね。ただ、自分の力で理想の働き方を叶えていけるというのは本当に大きいです。現在は週4日の出勤ですが、それは開校当初に「週5日ではなく、ゆとりを持った働き方をしたい」と思ったから。午後に授業が入っているぶん、午前中は自分の時間に充てられるのですが、これは自己研鑽の時間として活用しています。スケジュールに余裕があると、子どもにも余裕を持って接することができると思うのです。また、会社で働くワーママ(パパ)はみんな苦しむ部分かと思いますが、「ここで仕事を中断させたくない」というときも、保育園のお迎えがあるので仕事を終わらせなければならない。そうすると、「今日は仕事をやりきった!」という感覚を持ちづらいと思うのです。それが今だと、授業の終了が私にとってその日の仕事の区切り。今日はこんなことができた、今日もしっかり仕事を終えられたな、という気持ちで帰途に着くことができます。それは幸せなことですよね。その他にも自分の企画を実現しやすい環境なので、「こんなイベントやったら楽しいかな」という思いつきを、トライアンドエラーで形にできることも魅力です。

──ママであることの強みはありますか?

中澤:自分が子どもを持つまでは、生徒さんにはどんどん級を進めてもらったほうがいいはずだと思っていました。でも親になってからは、子どもに対して先生が愛情を持って接してくれ、子ども自身も楽しく習っていることが何より大切だなと思ったのです。楽しみながら成長もできるというバランスが大事なのだと気づけましたし、それは親御さんにも伝わっていると思います。

 

ほんの小さな積み重ねが起業の勇気につながる!いしど式で働くワーママが増えてほしい

 

──改めて、そろばんとはどんな習い事だと思いますか?

中澤:友人にもよく言っているのですが、「これだけコスパがいい習い事って他にない!」と思っています。

学校では暗算ができて自信も持てるし、社会に出ても有利。

日常の中でも暗算で計算する場面は多々あります。会社員時代は事業計画など大きな数字を扱う仕事をしていましたが、そろばんのおかげで、10億、100億という数字も慣れていましたし、売上げ達成率や前年比、進捗率などがすぐに計算できたので、今でも当時の上司に会うと、「その場でさっと計算していたよね」などと笑い話になります。本当に一生の宝物です。

──いしど式が社会に貢献できることは何だと思いますか?

中澤:いしど式の本部を見ていてよく思うのですが、昔から伝わるそろばんの良さや、再発見されたメリットなどを伝えるのみならず、コロナ禍以降変わった社会情勢に適応すべく、オンラインレッスンやタブレット学習の導入、他社との協業など、挑戦を厭わないというのが素晴らしいと思います。また風通しがとても良く、多種多様なキャリアを持った加盟校の先生たちとお話しするのが楽しくて学びも多いです。それから、私も含めてママが働きやすい場、社会復帰ができる場を提供しているというのは、社会への大きな貢献ですよね。

──起業を考えている方へのメッセージをお願いします。

中澤:私自身は起業する際、「絶対起業しよう!」と目的意識がハッキリしていた訳ではありませんでした。パンフレットを請求して、説明会を聞きに行ったという小さなアクションが始まりです。説明会の後に社長にメールして面談の時間をいただいたり、教室を拝見する機会をもらえたりという、小さな行動の積み重ねが起業につながっていきました。ほんの一歩踏み出してみるだけで十分ですし、もしそれで「やはり会社員のほうが向いている」と思えるならば、それはそれでいいのではないでしょうか。始められるところから始めてみてほしいと思います。いしど式の魅力が伝わり、同じ世代のワーママが増えるといいなと思っています。

──今日はどうもありがとうございました。

 

<1日のスケジュール>

6:00 起床

6:00〜7:00 自分時間(読書、メールの返信など)

7:00〜8:00 朝食。子どもの着替えや支度の手伝い

8:00〜9:00 子どもの登校・保育園に送る(夫の場合もある)

9:00〜11:00 買い出しなどをした後に帰宅。事務処理やSNS投稿、調べ物をする

11:00〜13:00 夕飯の準備と昼食

13:00〜14:00  出勤

14:30〜18:30  授業

18:30〜19:30  保育園・学童のお迎え(夫の場合もある)

19:30〜20:30 夕飯、片付け

20:30 下の子の寝かしつけ

21:30〜22:00  上の子と一緒に就寝

 

 

<プロフィール>

中澤嘉都美(なかざわ・かつみ)

お茶の水女子大卒業後、NTT東日本に入社。出産・子育てを機に、自身が幼児期から親しんできた、そろばんの魅力・珠算式暗算のよさを伝えたいと、2018年に杉並和田教室を開校。

2021年に第二子を出産し、現在は2児の母。週4日出勤で、仕事と育児の両立を図っている。

【HP(教室概要やそろばんについて発信)】
https://nakazawa-shuzan.com

【インスタグラム(起業や働き方、育児等の発信)】
https://www.instagram.com/katsumi.nakazawa

 

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