働き方ガイド

2024/02/22

産後パパ育休を利用して育休を取得!イクメンそろばん先生に、仕事と家庭を両立させる秘訣を聞く

日本の男性の育児休暇取得率は、5日未満が25%、5日以上2週間未満が26.5%と、約半数が2週間未満しか取得していません。

しかし、スタッフの育児に対する“熱量”が高いイシドでは、女性はもちろん男性の育児休暇取得も当たり前のこととしてとらえています。

 

今回は、第二子の誕生をきっかけに育児休暇を取得した、牧野行介先生にインタビューします。複数の教室長や推進部の課長という責任のある立場でありながら、どのように仕事を調整し、育休を取得したのか。育休に入る際に不安感はなかったか、詳しく伺いました。

 

目次

<牧野行介先生プロフィール>

1993年生まれ・現在入社8年目。推進部課長。鎌ヶ谷教室(千葉県鎌ヶ谷市)、金町教室(東京都葛飾区)の教室長兼6教室のエリアマネージャーを務める。入社後、4年連続で3名の生徒を日本一に導いた。2021年に第一子、2023年に第二子が誕生。第二子誕生を機に2か月の育児休暇を取得。

 

就活の際に「子どものころにそろばんの先生に憧れていたな」と運命を感じてイシドに入社

 

──牧野先生は幼少期からそろばんを習っていたそうですね。

年中のときから習い始めました。そろばんを習って良かったことはたくさんあります。第一に、計算能力がついて自信がついたこと。学校で100マス計算の計算問題が出たときに、誰よりも最初に答えが解けるのです。でもシャイな性格だったので、「できた人は手を挙げてね」と先生に言われても、誰かが挙手しないと手を上げられないのですが(笑)。それでも「自分が一番早く解けたんだ」という自信がつきました。また、そろばんを通して友だちが増えたのも良かったですね。私が通っていたそろばん教室は、通っていた幼稚園で習うことができたのですが、教室が終わった後に園庭で、みんなで遊ぶのがとても楽しみでした。3歳上の兄も一緒に習っており、兄の友人含めて年齢関係なくいろんな人と知り合うきっかけになりました。

 

 

──イシドに就職するまでの経緯を教えてください。

大学時代は特にやりたいこともなく、バイトや遊びに明け暮れていました。就職活動を始めた頃、大学の学内説明会にイシドの採用担当者が来てくれたので参加したのですが、「そういえば小学校の頃にそろばんの先生になりたいと思っていたな」と運命を感じたのです。そこで何回かイシドの説明会に足を運びました。ある日、イシドが開催する生徒・保護者向けの野外イベントに参加したのですが、雨が降っているにもかかわらず、スタッフの先生たちが生徒さんに「雨の中ありがとうね」と笑顔で話しかけていたのが本当に印象的で。自分たちはびしょ濡れなのに、笑顔で対応できる先輩たちが素敵だな、こういう人たちと一緒に働きたいなと思ってこの会社に入社しました。

 

──現在の仕事内容について教えてください。

大きく分けて4つあります。

1.鎌ヶ谷教室(千葉県鎌ヶ谷市)、金町教室(東京都葛飾区)の教室長

2.6教室のリーダーであるエリアマネージャー

3.新規教室の立ち上げ

4.いしど式加盟校約300校の支援業務(研修の講師や教室運営の相談・アドバイス)に携わる、推進部課長

 

入社して4年目の時に、初めて生徒さんを日本一へ導くことができました。また、その後石戸珠算学園最優秀教場という学園No.1教室を2年獲得しています。「生徒さん、保護者様のためにいかに時間を捻出して一生懸命指導をしてあげられるか。一人ひとり個性がある子どもたちとどれだけ真剣に向き合えるか」がそろばんの先生として問われていると感じています。自分なりに真摯に向き合って指導や勉強をした結果、成績となって表れたと考えています。

 

──そろばんの先生としてのやりがいは何ですか?

私にとって生徒さんは、生徒ではありますが“家族”でもあります。その家族がどんどん増えて、その家族の成長を保護者さんと一緒に見守れるのが何よりのやりがいです。そして、「先生のおかげです、ありがとう」と言ってもらえるのは、この仕事しか味わえない喜びですね。また、学校の先生は数年単位で担任から外れますが、そろばんの先生は幼稚園から中学生まで一人の子を見守ることができます。「2+3は?」と聞かれて答えられなかった幼稚園児が、そろばんを始めてどんどん自信がついて、大会に挑戦したり学級委員を任されたりする。リーダーシップを発揮して部活の部長も務めて、今は受験勉強も頑張っている……。そんな成長した姿を第二のお兄さん・お父さんとして見ることができて、本当に嬉しいです。生徒さんとは今でも交流があり、私は生徒さんの卒業式に参加したり、生徒さんや保護者様も私の誕生日や結婚をお祝いしてくれたりします。

 

育休取得をためらう気持ちを、会社のみんなが後押ししてくれた

──2021年に第一子、2023年に第二子が生まれています。今年初めて育休を取得されたそうですが、その経緯を教えてください。

妻も働いているのですが、長男が生まれたときは1か月間里帰り出産をしていました。コロナ禍ということもあり、乳児に会うのは避けた方がいいのではと思って、あえて育児休暇は取得しなかったのです。ただ第二子の出産にあたっては、長男を保育園に通園させることを考えると里帰りは難しい。しかも、やんちゃざかりです。ワーキングマザーの直属上司から「2人目の出産は、大変さが2倍になるのではなくて3倍にも4倍にもなる。絶対に父親も育児に参加すべき!」と背中を押してくれて、育児休暇を取る決心がつきました。また、保護者様からの後押しもいただきました。

 

──育児休暇の取得にあたり、ご家族とはどのような話し合いをされたのですか?

2ヶ月間も会社を休むということで、正直なところ迷いはすごくありました。業務が心配というのもありますが、一番は生徒さんが心配…。

 

ただ周りからは「仕事の代わりはいても父親の代わりはいないんだよ」というアドバイスをいただいたり、夫婦ともに「長男に寂しい思いをさせたくない」という気持ちがあり決心しました。また、育児休暇中も少しであれば業務ができるというお話も聞いたので、育休を取って育児にも積極的に参加することを決めました。

 

──会社とはどのような話し合いをされましたか?

育休は、基本的には会社に勧められて取得したという形です。男性の育児休暇取得は、社内では過去に一度実績がありました。育休制度はやや複雑で理解が難しく、収入に対する不安もあったのですが、会社の担当者から丁寧に説明をしてもらい、自分たちの生活を考慮しつつ一緒にプランを考えてくれました。今回は日数としては短いのですが、妻が里帰りする期間があったので、「産後パパ育休」という制度を使いました。育休を分割して取得できる制度で、育休中にも出勤できます。出勤日を設けることで他のスタッフへの業務の負荷も軽減できました。

 

産後パパ育休とは?

2022年10月に「育児・介護休業法」が改正され、「産後パパ育休(出生時育児休業)」が新設されました。

 

「産後パパ育休」は、以下の特徴があります。

1.男性が子どもの出生日から8週間以内に、最長4週間の育休を取得可能。

2.申出期限は原則として、休業の2週間前まで。

3.初めにまとめて申し出れば、分割して2回取得が可能。

4.休業中の就業が可能(労使協定を締結しており、労働者が合意した範囲内に限る)。

 

育休を取得する人は、育児休業中に「育児休業給付金」が支給されます。また、「出生時育児休業給付金」も支給されます。

 

──同僚からはどのようなサポートがありましたか?

会社は女性のスタッフが多いので、「育休は絶対に取ったほうがいい」と勧めてくれました。業務や教室の代理を快く受け入れてくれましたし、先輩ママ・パパとしていろんなヒントももらいました。保護者様も「そろばんの先生が育休を取れる時代が来たんですね」と喜んでくれましたし、妻をケアするアドバイスもいただきました。本当に、いろんな方からの支えがあったと感じています。

 

──パートナーの方と家事・育児の役割分担はどうしていましたか?

基本的に、長男の面倒は私が見ていました。また、家事は洗濯やごみ捨て、買い物を担当。下の子に関しても、ミルクをあげたりお風呂に入れたりということは積極的に行なっていました。長男は2歳で、イヤイヤ期が始まってくる時期です。しかも下の子ができるとママを取られてしまう寂しさを感じると思うのですが、私がしっかりと遊んだり話を聞いたりするようにしていましたので、精神的に安定して過ごせているようです。妻も喜んでいますね。

 

──育児休暇を取得して感じた、率直な感想を教えてください。

まず、育児休暇は2か月では足りない! できれば年単位で取りたいぐらいです。実は最初の1か月目は、やることがありすぎてうまく整理できず、長く感じる時間があったのですが、2か月目は要領がわかってきてやるべきことが明確になってきたので、あっという間でした。「子どもにもっとこうしてあげたかった。妻にもっとこういうサービスをしてあげたかった」と思うことばかりでした。そして思うのは、やはり世の中のお母さんはすごいということ。子どもを第一優先に考えて1日・1週間のスケジュールを組み、動いています。寝る時間もままならないし、買い物にも子どもを連れていかなければいけないし……。頭が上がらないです。

 

女性の育休復帰率は100%! 仕事も家庭も両方とも大切にできる会社がイシド

 

──現在のライフスタイルと、育児の参加の工夫について教えてください。

現在の私の1日のスケジュールはこのような感じです。

 

7:00起床

7:20自分の支度

8:00子どもの支度

8:10家を出発・保育園へ

10:00本部へ出社

13:00昼食

14:00教室へ出発

15:00教室到着

15:30授業開始

20:30帰宅

23:30夜のミルク

24:00就寝

 

 

保育園の送りは私で、迎えは妻です。基本的に日曜・月曜が休みなので、日曜はたっぷり子どもとの時間を取るようにしています。月曜日は買い物をしたり用事を済ませたり、妻との時間を過ごしたりしています。私は実家の近くに住んでいますので、育児を父や母に手伝ってもらうこともあります。

 

──育児休暇取得に関して、イシドの社員で良かったなと思うことはありますか?

イシドは「男だから」「女だから」と性差でなんらかの役割を押し付けられるような会社ではありません。一方で社内は女性スタッフが多く、女性の育休復帰率は転居等を除いて100%です。子育て経験がないメンバーも子どもが大好きで、育児に対する“熱量”が高い会社です。育休取得に関して、ネガティブなことは一切言われませんでした。育休制度があっても理解が乏しい会社もまだまだ多いと聞きます。イシドは、仕事も家庭も両方とも大切にしながら働ける会社だと思います。

 

──牧野先生はライフワークバランスについてどう考えていますか?

仕事は仕事で大変ですし、育児は育児で大変です。でも夫婦は同じ人間ですし、平等なのですから、互いに助け合ってバランスを取りながら、良い生活を営む努力をしたいものです。仕事を頑張るには家族の応援は不可欠ですし、家族を幸せにするためには働くことが不可欠。両方ともなくてはならないものだと考えています。

 

──先生はまさに両方とも叶えていらっしゃいますね。本日はありがとうございました。

 

牧野先生の育休について、総務担当者が振り返る

中島 朋美先生

直営事業部部長 兼 オンライン事業部部長(総務担当)

 

──総務担当者として、牧野先生の育休取得をどのようにサポートされましたか?

牧野先生はとても責任感の強い方で、先生という仕事に対しても、夫としてお金を稼ぐという役割に対しても責任を感じていたので、育休の取得に対して最初は迷っている様子でした。そこで何度も面談を実施し、育休中に支給される給付金などお金の話を中心に、仕事の調整や出勤日の相談もしました。今回は「産後パパ育休」を利用したので、育休中であっても牧野先生の力を借りられて会社としても助かりましたし、牧野先生としてもプラスの収入になりましたので、お互いに良い結果になったと考えています。

 

──牧野先生のような責任のある立場の方が抜けてしまうと、会社としてはデメリットが大きいのではないのでしょうか?

もちろん教育者というのは、一人が担っている責任が大きいものです。しかし組織としては、「この人がいないと成り立たない」という状況はあまり健全ではありません。教室長が不在であっても代理を調整できたり、生徒情報や業務をシェアしたりして、誰かが代わりに仕事を行えるような仕組みを作っています。育休に限らず、スタッフが抜けても教室運営ができるようにしておりますので、会社としてデメリットは発生していません。

 

──牧野先生の育休取得が会社に与えた影響について教えてください。

牧野先生はまだ若手スタッフで、同世代から下の世代はまだ結婚していないのですが、良いお手本、憧れになってくれたのではと嬉しいです。ワークライフバランスを体現してくれたのではないでしょうか。

 

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