
情報確認日:2026年8月21日
この記事は、こども家庭庁「体罰等によらない子育てのために」と、同庁・厚生労働省の相談窓口情報を確認して作成しています。医療上の診断や治療に代わるものではありません。
宿題をやらない、片づけない、何度言っても動かない。つい強い口調で怒ってしまい、子どもの寝顔を見ながら「言いすぎた」と自分を責めることがあります。
こども家庭庁の資料では、子どもに腹が立ったり、イライラしたりすることは、子育て中の保護者の多くが経験するものとされています。大切なのは、後悔だけを繰り返すことではなく、いったん安全を確保し、落ち着いてから次の関わり方を考えることです。
この記事では、怒ったあとの気持ちを立て直すために今夜できることと、同じ場面を減らすための見直し方を整理します。
目次
「また怒ってしまった」と落ち込む夜について

「怒った自分は親失格なのでは」と、今日の一場面から自分全体を否定したくなることがあります。しかし、自己否定を続けても、次に何を変えればよいかは見えにくくなります。
まずは「強い言い方をした」という行動と、「自分はだめな親だ」という評価を分けましょう。変えたい行動は振り返りつつ、自分自身まで決めつけないことが、次の対応を考える出発点になります。
なぜ、子どもに怒ったあとほど自己嫌悪が強くなるのか
期待や心配が大きい
「困らないでほしい」「できるようになってほしい」という気持ちが強いほど、思いどおりに進まない場面で声が大きくなることがあります。期待や心配が悪いのではなく、焦りが強い言葉になっていないかを振り返ります。
ほかの子やきょうだいと比べている
同じ学年の子や、同じ年齢だった頃のきょうだいと比べると、目の前の子の「できていないところ」に注意が向きやすくなります。比較が続くと、子どもの行動を自分の子育ての成績のように受け取ってしまうことがあります。
保護者自身の負担が重なっている
こども家庭庁の資料は、仕事・介護・家族関係によるストレス、周囲に相談できる人がいないことなどを、体罰等につながり得る背景として挙げています。子どもの行動だけでなく、「自分は今、疲れていないか」「一人で抱えていないか」も確認してください。
その夜にすること、しなくてよいこと

まず安全を確保し、少し距離を置く
怒りが収まらず、叩く・物を投げるなどの行動に出そうなときは、言い聞かせを続けないでください。子どもの安全を確保し、可能なら別の大人に交代してもらい、短い時間でもその場を離れます。深呼吸する、数を数える、窓を開けるなど、自分が落ち着きやすい方法を一つ決めておくと使いやすくなります。
落ち着いてから、強い言い方を認める
双方が落ち着いたら、「大きな声で言ってごめんね」「怖い思いをさせたね」と、強い言い方をしたことを短く伝えます。子どもが眠っているなら、起こしてその場で解決しようとせず、翌朝など落ち着いて話せる時間に戻っても構いません。
謝るときは、「でも、あなたが言うことを聞かなかったから」と子どもに原因を戻さず、次はどう伝えるかを大人側の課題として話します。
怒ったきっかけを一行だけ残す
長い反省文を書く必要はありません。「宿題をしていなかった」だけでなく、「何度言っても伝わらないと感じて焦った」のように、自分が反応した場面を一行だけメモします。翌日、時間帯・言い方・頼れる人など、変えられる要素を一つ選ぶ材料にします。
その夜のうちに結論を出さない
疲れている夜に「自分は親に向いていない」と結論づける必要はありません。安全を確保し、必要なことを短く伝えたら、振り返りはいったん終えて休みましょう。
怒る場面を減らすための3つの見直し

声をかけるタイミングと仕組みを変える
朝の登校前、夕食前、寝る前など、時間に追われる場面で衝突が起きるなら、気持ちだけで我慢しようとせず順番を見直します。翌日の準備を前夜にする、声をかける時刻を決める、やることを紙に書くなど、親子ともに分かる仕組みに変えます。
「できていないこと」ではなく昨日との差を見る
ほかの子ではなく、昨日のその子と比べます。昨日より5分早く始められた、声をかけたら一つ片づけられたなど、小さな変化を具体的に伝えます。学習を無理なく続ける工夫は「子どもの学習を定着させる習慣と復習のコツ」でも紹介しています。
家庭の外に、話せる大人をつくる
親だけで子どもの学習や生活のすべてを背負うと、親子ともに息苦しくなることがあります。祖父母、学校や習い事の先生、自治体の相談員など、親が相談でき、子どもを別の角度から見てくれる相手をつくります。家庭外の学びを検討するときは「子どもの習い事はいつから?年齢別の始めどきと続けやすい選び方」も参考にしてください。
子どもの気持ちを聞き、次の方法を一緒に考える
こども家庭庁は、体罰等によらない子育ての工夫として、子どもの気持ちや考えに耳を傾けることを挙げています。正しさをすぐ説明する前に、「あのとき、どう感じた?」と聞きます。
そのうえで、「次は宿題を始める時間を一緒に決めよう」「片づけるものを三つに分けよう」など、次の行動を具体的にします。保護者だけ、子どもだけの責任にせず、同じ場面が来たときの方法を一緒に決めます。
一人で抱えず、相談してよい
落ち込みや不安が続く、眠れない、食欲が落ちる、日常生活に支障が出ているときは、早めに医療機関や公的な相談窓口につながってください。厚生労働省は、地域の保健所・保健センター・精神保健福祉センターなどの「こころの相談窓口」を案内しています。
子育てや親子関係の悩みは、こども家庭庁の「親子のための相談LINE」でも相談できます。匿名で利用でき、受付時間は自治体によって異なります。
自分が子どもを傷つけそう、またはすでに危険があると感じたときは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」へ連絡してください。緊急で生命・身体の危険がある場合は110番・119番を利用します。
まとめ

● 怒りが収まらないときは、子どもの安全を確保して距離を置く
● 落ち着いてから、強い言い方をしたことを短く認める
● 怒ったきっかけを一行残し、次に変えられる仕組みを一つ選ぶ
● ほかの子ではなく、昨日のその子との違いを見る
● つらさが続くときや子どもを傷つけそうなときは、一人で抱えず相談する
怒ってしまった一場面だけで、親としてのすべてが決まるわけではありません。今日の後悔を、自分を責め続ける材料ではなく、次の関わり方を変えるきっかけにしてください。
















