小学6年生の算数は、小学校算数の総まとめであり、中学数学への橋渡しとなる重要な学年です。特に「分数のかけ算・わり算」「比例・反比例」「場合の数」など、抽象的な思考力が求められる単元が多く、算数の得意・不得意がはっきりと分かれる時期でもあります。しかし、これらの内容をしっかりと理解しておくことが、中学数学でのスムーズなスタートにつながります。この記事では、小学6年生で学ぶ単元の全体像から、よくあるつまずきポイント、そして家庭でできる学習サポートの方法まで詳しく解説します。お子さんの算数学習をサポートしたい保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
小学6年生の算数で習う単元一覧
学習指導要領では、小学6年生の算数は大きく4つの領域に分けられています。それぞれの領域で学ぶ主な内容を見ていきましょう。
A 数と計算
- 分数のかけ算・わり算
- 分数・小数・整整数の混じった計算
- 文字を使った式
B 図形
- 拡大図と縮図
- 線対称・点対称(対称な図形)
- 円の面積
- 角柱・円柱の体積
- 概形とおよその面積
C 変化と関係
- 比例と反比例
- 比
D データの活用
- 代表値(平均・中央値・最頻値)
- 度数分布を表す表やグラフ(ヒストグラム)
- 統計的な問題解決
- 起こり得る場合(確率の基礎)
これらの単元は、小学校6年間で学んだすべての内容を統合し、さらに発展させたものです。特に「分数のかけ算・わり算」と「比例・反比例」は、中学数学に直結する最重要単元となっています。
小学6年生が算数でつまずきやすいポイント

小学6年生では、抽象的な思考が求められる単元が多く、多くの子どもがつまずきを経験します。代表的なつまずきポイントを理解し、適切にサポートしましょう。
よくあるつまずき①「分数のかけ算・わり算」とその意味
分数のかけ算・わり算は、計算ルール自体はシンプルですが、その意味を理解するのが非常に難しい単元です。「2/3×3/4は分子同士、分母同士をかける」「2/3÷3/4は割る数をひっくり返してかける」という計算方法は覚えても、なぜそうなるのかという意味理解が追いついていない子どもがほとんどです。
特に「分数÷分数」は、整数のわり算のイメージとかけ離れているため、「なぜひっくり返すのか」が理解できず、丸暗記に走ってしまいます。「3÷1/2=6」という計算結果を見ても、「割っているのに答えが大きくなる」ことに違和感を覚え、混乱してしまうケースが多く見られます。計算はできても意味がわからないため、文章題や応用問題になると手が止まってしまいます。
よくあるつまずき②「比例・反比例」「拡大図・縮図」
比例・反比例は、中学数学の関数につながる重要な単元ですが、グラフの読み取りや比例定数の意味で混乱しやすい内容です。「yはxに比例し、比例定数は3」と言われても、それが「y=3x」という式を表すことや、グラフがどのような直線になるのかイメージできない子どもが多くいます。
拡大図・縮図についても、「1/2の縮図」と聞いて辺の長さを半分にすることは理解できても、面積が1/4になることや、縮尺の計算で混乱してしまいます。地図の縮尺「1:25000」の意味を理解し、実際の距離を計算する問題では、単位換算も絡むため、さらに難しく感じる子どもが増えます。抽象的な概念とグラフ・図形の関係性が結びつかないことがつまずきの原因です。
よくあるつまずき③「場合の数」「文字式」への抽象思考
場合の数は、樹形図や表を使って系統的に数え上げる必要がありますが、場合分けが苦手で、組み合わせや順列を頭の中でイメージできない子どもが多くいます。「AとB、どちらを先に選んでも同じ」という組み合わせの考え方や、「AとB、順番が違えば別」という順列の考え方の違いも混同しやすいポイントです。
文字式についても、「xやyを使って式を立てる」という抽象的な表現が直感的に理解しにくく、「なぜ文字を使う必要があるのか」がピンとこない子どもが少なくありません。「1個x円のりんごを3個買うとy円」を「y=3x」と表すことは覚えても、その意味や便利さを実感できていないため、文字式を使う場面の判断ができなくなります。
小学6年生の算数学習のポイント

つまずきを乗り越え、中学数学への土台を固めるためには、「なぜそうなるのか」という本質的な理解が重要です。ここでは、小学6年生の学習に効果的なポイントをご紹介します。
概念の「なぜそうなるか」を図と説明で繰り返し理解する
計算ルールやグラフの性質を単に暗記するのではなく、なぜそうなるのかを図解し、自分の言葉で説明できるレベルまで理解を深めることが大切です。例えば「分数÷分数」では、「3÷1/2」を「3の中に1/2がいくつ入るか」という問いに置き換え、図で表してみましょう。
比例のグラフについても、表を作って点をプロットし、「xが2倍になるとyも2倍になる」という関係性を実際に確認することで、比例の本質が理解できます。保護者が一方的に説明するのではなく、「どうしてこうなると思う?」と問いかけ、子ども自身に考えさせ、説明させることで、深い理解につながります。繰り返し図で確認し、言葉にする練習が重要です。
筆算・応用題は「過程メモ」を残し、考えた流れを可視化
複雑な問題になればなるほど、頭の中だけで考えようとすると混乱してしまいます。式の途中計算、数直線、図などを紙に残して、思考の流れを可視化する習慣をつけましょう。「何を求めるのか」「何がわかっているのか」を整理し、順序立てて考えることで、ミスも減ります。
文章題では、問題文を読みながら重要な数値や条件に線を引いたり、図や表に整理したりする作業が効果的です。「この問題はこう考えた」という過程を残しておくことで、間違えたときに「どこで間違えたのか」を振り返ることもでき、次に生かせます。過程メモは、論理的思考力を育てる重要なツールです。
複数分野の融合・応用問題にも日常生活とのつながりを意識
小学6年生では、割合と速さ、図形と対称性など、複数の分野を組み合わせた応用問題が増えます。これらの問題は、身近な事例や実験と結びつけて体験することで理解が深まります。例えば、速さと比例の関係は、実際に自転車で一定の速さで走ったときの距離と時間を測定してグラフにすることで実感できます。
拡大図・縮図は、地図を使って実際の距離を計算したり、写真を拡大・縮小したりする体験が効果的です。場合の数は、実際にカードやさいころを使って試してみることで、樹形図の意味が理解できます。日常生活の中に算数の概念を見つけ、「これは比例の問題だね」「これは場合の数で考えられるね」と気づく習慣をつけることで、応用力が育ちます。
そろばんで計算力を鍛えてみませんか?
小学6年生の算数学習において、そろばんは非常に効果的なツールです。そろばんは、珠を動かすことで数を視覚的に学べるため、複雑な分数の計算や小数・整数の混合計算の仕組みを体感的に理解するのに適しています。
特に分数のかけ算・わり算でつまずきやすい計算の流れも、そろばんで培った数の感覚が土台となり、スムーズに理解できるようになります。また、そろばんの練習を通じて計算の正確性とスピードが向上し、複雑な応用問題にも余裕を持って取り組めるようになります。指先を使うことで集中力が高まり、論理的思考力も強化されます。
いしど式そろばん教室では、一人ひとりの理解度に合わせた指導で、楽しみながら確実に計算力を伸ばすことができます。小学6年生の総まとめとして、また中学数学への準備としても効果的なカリキュラムで、算数に自信がつきます。まずは無料体験レッスンで、そろばんの魅力を体感してみてください。
















