小学5年生の算数は、小学校算数の中でも最も難易度が高く、内容も抽象的になる学年です。特に「割合」「分数の計算」「体積」「速さ」など、日常生活との結びつきが見えにくい単元が多く、算数が苦手と感じる子どもが急増する時期でもあります。しかし、これらの単元は中学数学の土台となる重要な内容ばかりです。この記事では、小学5年生で学ぶ単元の全体像から、よくあるつまずきポイント、そして家庭でできる学習サポートの方法まで詳しく解説します。お子さんの算数学習をサポートしたい保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
小学5年生の算数で習う単元一覧
学習指導要領では、小学5年生の算数は大きく4つの領域に分けられています。それぞれの領域で学ぶ主な内容を見ていきましょう。
A 数と計算
- 偶数と奇数、約数と倍数
- 小数のかけ算・わり算(発展)
- 分数と小数・整数の関係
- 異分母の分数の計算(通分・約分)
- 数量の関係を表す式
B 図形
- 合同な図形
- 円周・円周率
- 角柱・円柱
- 多角形の面積
- 直方体・立方体の体積
C 変化と関係
- 比例(簡単な場合)
- 単位量当たりの大きさ
- 速さ
- 割合(百分率)
D データの活用
- 円グラフ
- 帯グラフ
- 測定値の平均
これらの単元は、4年生までに学んだ内容を応用し、より高度な数学的思考を必要とします。特に「割合」と「分数の計算」は、小学5年生の最重要単元です。
小学5年生が算数でつまずきやすいポイント

小学5年生では、抽象的な概念が一気に増え、多くの子どもが算数に苦手意識を持ち始めます。代表的なつまずきポイントを理解し、早めに対処しましょう。
よくあるつまずき①「約分・通分」と分数の計算
異分母分数の加減算は、小学5年生で最初につまずきやすい単元です。「2/3+1/4」のような計算では、まず通分して分母を揃える必要がありますが、最大公約数や最小公倍数の概念が理解できていないと、通分の仕組み自体がわからなくなってしまいます。
また、約分についても「なぜ分子と分母を同じ数で割っても値が変わらないのか」という本質的な理解がないと、単なる作業になってしまいます。「12/18を約分しなさい」と言われても、どの数で割ればいいのかわからず、試行錯誤を繰り返すうちに計算ミスが増えてしまうケースが多く見られます。分数の計算でつまずくと、その後の応用問題や中学数学にも影響します。
よくあるつまずき②「割合」や単位量あたりの考え方
割合は、小学5年生で最も多くの子どもがつまずく単元といっても過言ではありません。「もとにする量」「比べる量」「割合」の3つの関係性が理解できず、「どれがもとでどれが割合なのか」が判断できなくなってしまいます。
割合の意味が曖昧だと、セールの値引き計算、濃度、速さなど、日常の場面でも混乱しやすくなります。「30%引き」と言われても、元の値段の70%なのか30%なのかわからなくなったり、「時速60km」の意味が理解できなかったりします。割合は百分率(パーセント)や歩合とも関連しており、これらを同時に学ぶことでさらに混乱が深まる子どもも少なくありません。
よくあるつまずき③「体積」「速さ」など立体や量の感覚
立方体や直方体の体積を求める公式「縦×横×高さ」は覚えても、なぜその計算で体積が求められるのか理解できていない子どもが多くいます。体積という概念自体が抽象的で、「1立方センチメートルがどれくらいの大きさか」イメージしにくいためです。
速さについても同様で、「道のり÷時間=速さ」という公式は覚えても、「時速」「分速」「秒速」の違いや単位換算でつまずきます。「時速60kmで2時間走ると何km進むか」という問題は解けても、「90kmを時速60kmで走ると何時間かかるか」になると手が止まってしまうケースが典型的です。立体や量の感覚が不足していると、公式に当てはめるだけの学習になり、応用力が身につきません。
小学5年生の算数学習のポイント

つまずきを乗り越え、確実に理解を深めるためには、具体的なイメージと実生活との結びつきが重要です。ここでは、小学5年生の学習に効果的なポイントをご紹介します。
分数・小数・整数の関係を具体的に理解させる
分数・小数・整数は、それぞれ異なる表現方法ですが、同じ数を表すことができます。この関係性を具体的に理解させることが、計算力向上の鍵です。カードやブロックを使って、「1/2=0.5」「3/4=0.75」といった対応関係を視覚的に確認しましょう。
通分や約分の操作も、最初は具体物で体験させることが効果的です。ピザやケーキの図を使って、「2/4と1/2は同じ大きさだね」と実感させたり、色紙を折って「4/6を約分すると2/3になる」ことを確かめたりする活動が理解を深めます。抽象的な計算の前に、必ず具体的なイメージを持たせることで、計算の意味が腑に落ちるようになります。
割合や単位量を身近な場面で応用し「比べる力」を育てる
割合や単位量あたりの大きさは、実生活の中で積極的に使う機会を作ることで理解が深まります。買い物で「定価3000円の30%引きはいくら?」と一緒に計算したり、地図を見ながら「この距離を1時間で歩くと時速何km?」と考えたりする練習が効果的です。
速さの問題では、実際に家の中や公園で距離を測り、時間を計って「分速」や「秒速」を計算してみるのもおすすめです。濃度の問題では、ジュースの原液と水を混ぜて実際に作ってみることで、「濃い」「薄い」の感覚と割合の関係が結びつきます。日常の中で「比べる力」を意識的に育てることで、割合や単位量の概念が自然と身につきます。
図形・立体問題は展開図や模型作りでイメージを補強
立体図形の体積や展開図は、実際に模型を作ったり展開図を組み立てたりすることで、理解が格段に深まります。厚紙で立方体や直方体を作り、「この立体には何個の立方センチメートルが入るか」を実際に数えてみることで、体積の公式の意味が実感できます。
展開図についても、紙に描いた展開図を実際に切って組み立ててみると、「この辺とこの辺がつながる」といった立体の構造が理解できます。市販の展開図キットや、牛乳パックを使った工作も効果的です。平面の図から立体をイメージする「見取り図力」は、実際に手を動かすことで強化されます。頭の中だけで考えるのではなく、触って確かめる活動が重要です。
そろばんで計算力を鍛えてみませんか?
小学5年生の算数学習において、そろばんは非常に効果的なツールです。そろばんは、珠を動かすことで数を視覚的に学べるため、複雑な小数の計算や分数の概念を体感的に理解するのに適しています。
特に小数のかけ算・わり算や分数の通分・約分でつまずきやすい計算の流れも、そろばんでは珠の動きとして視覚化されるため、計算の仕組みが自然と身につきます。また、そろばんの練習を通じて数の感覚が研ぎ澄まされ、暗算力も向上するため、複雑な計算でも素早く正確に解けるようになります。指先を使うことで集中力が高まり、算数全体への自信にもつながります。
いしど式そろばん教室では、一人ひとりの理解度に合わせた指導で、楽しみながら確実に計算力を伸ばすことができます。小学5年生の重要な単元である分数や小数の計算の基礎固めにも効果的なカリキュラムで、算数に自信がつきます。まずは無料体験レッスンで、そろばんの魅力を体感してみてください。
















