小学4年生の算数は、これまでに学んだ知識を総合的に活用し、より高度な概念や計算に取り組む学年です。特に「わり算の筆算」や「分数・小数の計算」、「角度」や「面積」など、抽象的な理解と正確な計算技術の両方が求められるようになります。算数が苦手と感じ始める子どもが増えるのもこの時期です。この記事では、小学4年生で学ぶ単元の全体像から、よくあるつまずきポイント、そして家庭でできる学習サポートの方法まで詳しく解説します。お子さんの算数学習をサポートしたい保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
小学4年生の算数で習う単元一覧
学習指導要領では、小学4年生の算数は大きく4つの領域に分けられています。それぞれの領域で学ぶ主な内容を見ていきましょう。
A 数と計算
- 大きな数(億・兆)
- 概数と四捨五入
- わり算の筆算(2けた÷1けた など)
- 小数のたし算・ひき算
- 小数のかけ算・わり算(少数×整数、少数÷整数)
- 同じ分母の分数の計算
- □を使った式
B 図形
- 平行四辺形・ひし形・台形
- 立方体・直方体(見取り図・展開図)
- 位置の表し方(座標の導入)
- 面積(cm²・m²・㎢・a・ha)
- 角の大きさのはかり方
C 変化と関係
- 表や式、折れ線グラフ
- 簡単な割合
D データの活用
- 2つの観点で分類
- 二次元の表
- 折れ線グラフ
これらの単元は、3年生までに学んだ内容をさらに発展させたものです。特に「わり算の筆算」と「角度」「面積」は、小学4年生の重要な学習内容となっています。
小学4年生が算数でつまずきやすいポイント

小学4年生では、抽象的な概念が増え、計算の手順も複雑になります。多くの子どもが共通してつまずくポイントを理解し、適切にサポートしましょう。
よくあるつまずき①「分度器の使い方」と角度の測定
分度器は小学4年生で初めて使う測定器具で、多くの子どもがつまずきます。分度器には内側と外側に2つの目盛りがあり、どちらを読めばいいのか混乱しやすく、角の測り方や書き方を取り違えてしまうケースが頻繁に見られます。
また、直角(90度)のイメージは持てても、60度や120度といった直角以外の角度をイメージすることに苦労する子どもが多いです。「この角は鋭角だから90度より小さいはず」という判断ができないと、測定結果が180度ずれていても気づかず、誤った答えを書いてしまいます。角度の概念そのものが抽象的なため、理解に時間がかかる単元です。
よくあるつまずき②「わり算の筆算」と大きな数の計算
小学4年生のわり算の筆算は、2桁や3桁の数を2桁の数で割る複雑な計算になります。筆算の手順では、商を立てる位置や繰り下がりの処理で混乱しやすく、「次はどこに数字を書くのか」「何を引くのか」がわからなくなってしまいます。
位取りや余りの処理の理解が不足していると、計算ミスが増えるだけでなく、答えの妥当性を確認することもできません。例えば「96÷12」の計算で、答えが「80」になっても気づかないようなケースです。わり算の筆算は手順が多く、一つでも間違えると答えが大きくずれるため、苦手意識を持つ子どもが増えます。
よくあるつまずき③「分数・小数の加減と意味」
小学4年生では、分数と小数の両方を扱うようになり、それぞれの計算ルールや意味の理解が求められます。しかし、分数の分母や小数点の位置、概数の意味合いを混ぜて考えてしまい、計算方法が曖昧になる子どもが少なくありません。
特に「0.3+0.25」のような小数第二位が含まれる計算や、「1/3+2/3」のような分数の加算で、単位のイメージが不足しているとしくみの理解が止まりがちです。「分数は分母が同じでないと足せない」「小数は位を揃える」といったルールを暗記しているだけで、なぜそうするのかを理解していないと、応用問題で手が止まってしまいます。
小学4年生の算数学習のポイント

つまずきを防ぎ、確実に理解を深めるためには、体験的な学習と丁寧な手順の確認が重要です。ここでは、小学4年生の学習に効果的なポイントをご紹介します。
実体験や操作活動で「角度」「面積」など単位を実感する
角度や面積といった単位は、目に見えにくく抽象的なため、実際に測ったり比較したりする活動が理解への近道です。分度器で家の中のさまざまな角度を測ってみたり、ドアの開く角度を観察したりすることで、角度の感覚が身につきます。
面積については、方眼紙やタイルを使って実際に数えたり、新聞紙を広げて「1平方メートルはこれくらい」と体感させたりする活動が効果的です。教科書の図だけでは理解しにくい概念も、実物を使った操作を通じて「なるほど」と納得できるようになります。単位の意味を実感することで、計算の意味も理解しやすくなります。
計算手順を図解・言語化して「きまり」を理解する
わり算の筆算など、複雑な計算手順は図や言葉で可視化することが大切です。「まず商を立てる」「かける」「引く」「次の数を下ろす」といった手順を、声に出しながら一緒に確認しましょう。最初は保護者が手順を説明し、次は子どもに説明させることで、理解が定着します。
図解する際は、色ペンを使って「この部分が商」「ここが余り」と視覚的にわかりやすくする工夫も効果的です。計算の流れを自分の言葉で説明できるようになると、なぜその手順で計算するのかという「きまり」が理解でき、応用力も身につきます。暗記に頼らず、理解に基づいた計算ができるようになります。
分数・小数は実生活の場面(お金、料理など)で感覚を育てる
分数や小数を身近に感じられるよう、実生活の中で積極的に使う機会を作りましょう。ピザやケーキを切り分けるときに「これは全体の何分の1かな?」と聞いたり、お菓子を「0.5kg」「500g」など異なる単位で表したりすることで、数の感覚が育ちます。
料理でも「200mlの牛乳」「0.2Lの牛乳」と言い換えてみたり、買い物で「380円は約400円」と概数で考えたりする練習が有効です。日常の中で分数・小数に触れることで、抽象的だった数が具体的なイメージと結びつき、計算の意味も理解しやすくなります。こうした経験の積み重ねが、算数への自信につながります。
そろばんで計算力を鍛えてみませんか?
小学4年生の算数学習において、そろばんは非常に効果的なツールです。そろばんは、珠を動かすことで数を視覚的に学べるため、複雑なわり算の筆算や小数・分数の計算の仕組みを体感的に理解するのに適しています。
特にわり算の筆算でつまずきやすい位取りや商の立て方も、そろばんでは珠の配置として視覚化されるため、計算の流れが自然と身につきます。また、そろばんの練習を通じて数の感覚が研ぎ澄まされ、小数や分数の大小関係も直感的に理解できるようになります。指先を使うことで集中力が高まり、計算の正確性とスピードも向上します。
いしど式そろばん教室では、一人ひとりの理解度に合わせた指導で、楽しみながら確実に計算力を伸ばすことができます。小学4年生の重要な単元である複雑な計算の基礎固めにも効果的なカリキュラムで、算数に自信がつきます。まずは無料体験レッスンで、そろばんの魅力を体感してみてください。
















