そろばん学習

2025/11/07

子どもだけじゃない、大人こそそろばん!忙しい社会人が「計算力」「集中力」をリスキリング〜実際に通い始めた方のリアルな声で紐解く〜

「そろばん」と聞くと、多くの人が思い浮かべるのは放課後の教室で真剣に珠を弾く小学生の姿かもしれません。しかし今、大人の間でそろばんが注目を集めています。理由はさまざま——仕事での計算力向上、脳トレとしての活用、自己投資の一環として。
忙しい現代社会を生きる大人たちが、なぜそろばんを選び、何を得ようとしているのか。実際にいしど式そろばん教室に通い始めた方のリアルな体験談を通して、大人のそろばん学習の実情に迫ります。

なぜ、いしど式で大人がそろばんを始めるのか?

「同僚の計算の速さに憧れて」

今回お話を伺ったのは、飲食業界で数字管理を担当されている野口さん。そろばんを始めたきっかけについて、こう振り返ります。

「仕事で結構数字を管理する立場にあるんですけども、同僚の方で昔そろばんをやってたっていう方がいて、すごく計算が早いんですよ。それを見てて前々からやっぱりそろばんってすごいんだなって」

野口さんの業務は、8店舗のPL(損益計算書)を毎月チェックすること。「1店舗に1個PLがあるんですよ。全部で8個ある、8個見なきゃいけない」という状況で、数字を素早く正確に把握する能力の重要性を日々実感していました。

「もともと私はとにかく子供の時から数学が苦手なんですよ。それはある意味自分の弱みだったんですね。ずっとそれが克服できてなくて」

自分の弱点と向き合い、それを克服したいという強い想いが、大人になってからのそろばん挑戦の原動力となったのです。

 

いしど式を選んだ理由

数あるそろばん教室の中からいしど式を選んだ理由について、野口さんはこう語ります。

「そもそもいしど式を知っていて、かつ身近にあったことも大きいんですけど、大人の教室があるっていうのを聞いて、大人向けにちゃんと考えてるんだっていうところが、まずは選んだきっかけが大きいですね」

大人専用のクラスがあることで、子どもの習い事というイメージを超えて、大人のライフスタイルに合わせた学習環境が整備されていることが決め手となりました。

 

初めてのそろばん体験:苦労と楽しさ

「こんなんだっけそろばんって」

実際に教室に足を運んだ時の印象は、想像以上に新鮮なものでした。

「お子さんが前の時間にいらしててやってるんですよ。ちょうど大人のクラスの前がお子さんの教室で、お子さんがいる教室っていうのは久々だったので、なんて言うんでしょうね。ちょっと最初とまどったりもしました」

子どもたちの賑やかさに最初はとまどったものの、「大人の時間になったら当たり前ですけど、全員大人だし、すごく黙々とやっていたので、もう気にならなくなりました」と、すぐに環境に慣れることができたそうです。

数十年ぶりのそろばんとの再会

「そろばん自体を触るのが多分何十年ぶりぐらいだったので、まずどういう仕組みだっけというのからスタートだったから、本当に…もうなんか、こんなんだっけ、そろばんってっていう感じが」

小学校時代の記憶は曖昧で、ほぼゼロからのスタート。「指の動きの決まりなんてあったっけ?と。型なんてないと思ってたからあるんだ!と、ちょっと驚きました」

学習の壁と自習の工夫

仕事の都合でなかなか教室に通えない日も多く、自習中心の学習スタイルに。「仕事の関係でまだなかなか行けないので、ネットでできるそろばんのテキストっていうのも一緒に見てるんです。自宅で自習することの方が多いんですよ」

特に苦労したのは計算の複雑化。「まだ足し算、引き算とかいいんですけど、その先の割り算とか掛け算になってくるとちょっと複雑になってくるから、それが難しくて。最初のうちは、頭の変換が難しかったので」

しかし、「動画を一生懸命、何回も見てやりました。子ども向けの教材だからそんなに難しくないっていうか、優しく説明してくれるので」と、自分なりの学習方法を見つけていきました。

先生の指導への安心感

「たぶんすごい出来は悪いと思うんですけど、先生方がもう…すごく優しいので、安心感がすごくありました」

大人の初心者に対しても丁寧で温かい指導があることで、学習への不安が軽減されたといいます。

 

大人ならではの気づき・そろばんを通じて得たいこと

日常生活での活用イメージ

野口さんが描く、そろばんができるようになった時の自分は、驚くほど具体的で身近なものでした。

「普通にお買い物とかするときに、いくらぐらいかな…みたいな計算が、パッとできたらちょっとすごくない?って自分で思う」

「よくあるのは友達と飲み会に行って割り勘するときに、いつも私、誰かにお願いしちゃうんですけど、それが自分でできたらちょっとすごくない?みたいなのはすごくありますね」

仕事での具体的な応用

料理の仕事をされている野口さんならではの、プロフェッショナルな視点も印象的でした。

「例えば本に書いているレシピと自分の持っている材料が違ったりするんじゃないですか。レシピは2人分。でもこれから作るのは50人分。その割合とかが、パッてできたりしちゃう」

さらに具体的なエピソードとして、出汁作りの際の計算について語ってくれました。

「この間の仕事で。冷やし出汁を作っていた時です。入れる割合を考えてたんだけど、一回やってみたらちょっとぬるかったんですよ。急遽氷を入れようって話になって、氷って固体だから溶けるじゃないですか。溶けるってことは薄まる、そこも計算して出汁の濃度を変えなきゃいけないんですよ」

氷4粒の容量をネットで調べ、溶ける速度も考慮して「だいたい半分ぐらい減らせばいいか」と計算したエピソード。「そういうのとかも電卓使わないでできたらすごい」という言葉からは、仕事への直接的な応用への期待が伝わってきます。

数字把握力への期待

PLの管理という業務特性から、細かな計算速度よりも全体把握力への期待が大きいといいます。

「大枠も見るし、もちろん細かいのも見るし、それに対してスピード感というのは今はそこまでは求められるわけではないですが、数字的に全体の予算の中でどのくらいのパーセンテージなのかなとか、そういうところがパッと自分の中でイメージできるとすごくいいなって思ってる」

長年の弱みと向き合う決意

特に印象的だったのは、苦手分野への挑戦についての言葉でした。

「習い事はいろいろしてるんだけど、どっちかっていうと、自分の得意分野だったり好きなことを選んでやっていました。料理を習おうとか、お菓子を習おうとか、お花を習おうとか自分の趣味の好きな、得意な方の趣味を追求してたんですけど、今回のこれ、そろばんって苦手なことじゃないですか。その苦手なことを克服することも訓練の一つなので」

「やることによって自信になる。暗算がすぐパッとできたら克服できたとまでは言わないまでもすごい意識が変わる。自分の気持ちもたぶんすごく変わる。それできたらもうなんか怖いもんないな、って」

数十年来の弱みと正面から向き合おうとする、大人だからこその学習姿勢がここにあります。

脳トレ効果への期待

「常に頭の体操じゃないんですけど、指も動かすからきっとボケ防止にもなるんじゃないかなっていうのはすっごく思いますけどね」

計算力向上だけでなく、指先を動かすことによる脳の活性化への期待も、大人の学習者ならではの視点です。

 

「子どもの習い事」という固定概念を超えて

最後に、これからそろばんを始めてみたいと考えている大人の方々へ、野口さんからのメッセージです。

「やっぱり子どもの習い事ではないような気がしていて、別に子どもは子どもで子どもの習い事として確立されてるんだけど、ちょっとまた役割が違うっていうか、捉え方が違うから、その人それぞれの捉え方が大人の場合はいろいろあるのかなって気がしていて」

「私のように仕事で使いたいとか、苦手を克服したいというのもあるし、もしかするとボケ防止のために指を動かしたいとか、それぞれの目的によっていろいろあるのかな」

現代の学習環境の柔軟性

忙しい大人にとって心強いのは、オンライン学習との併用という選択肢です。

「教室に通えない場合もオンライン学習があるので、そこは安心なんじゃないかな、と思います。お家で練習できるじゃないですか。私も行けないことも結構あるんですけど、お家でやれる体制が今はあるので、そういう意味では安心なんじゃないかな」

「自分のペースで大人の場合はやるしかないしやれるんじゃないかなって気はします」

周囲の反応は意外にもポジティブ

そろばんを始めることを周囲に伝えた時の反応についても、予想以上に好意的だったといいます。

「みんな私と似たような感じで、暗算できたらいいよねっていう人が結構多いですね。みんなやっぱり、そろばんのすごさっていうか、そろばんをやってた子の計算能力の高さは、みんな知ってることは知ってるんですよね」

「みんなどっちかっていうと、それに対して憧れじゃないけどすごいよねみたいな方が多いです」

 

〜後編へ〜 技術・思考 さまざまな変化

現在、野口さんは足し算・引き算から割り算・掛け算へとステップアップの真っ最中。「頭の変換が難しい」という壁にぶつかりながらも、動画教材を繰り返し見て着実に進歩を続けています。

後編では、10ヶ月後の野口さんの変化に密着します。仕事での数字管理は本当に楽になったのか? お買い物での暗算は身についたのか? そして何より、長年のコンプレックスだった「計算への苦手意識」は克服できたのでしょうか?

「それできたらもうなんか怖いもんないな」と語った野口さんの、そろばん学習による内面的な変化も含めて、大人の学び直しの可能性を探ります。

 

同じスタートラインのあなたへ

もしあなたも「計算が苦手」「数字にもっと強くなりたい」と感じているなら、年齢は決して障壁ではありません。野口さんのように、大人だからこそできる目的意識を持った学習で、新しい自分と出会えるかもしれません。

次回は、10ヶ月間の学習を経た野口さんの「その後」をお届けします。大人のそろばん学習の真の効果とは? ご期待ください!

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