そろばんで能力開発「いしど式」代表の沼田です。
いしど式は世界6か国、300教室を展開するそろばん教室です。
そろばんは、単なる計算の道具ではなく、能力開発という分野においても注目を集めるようになりました。
私たち「いしど式」は、創業から約50年にわたり、そろばん教育を専門に研究と実践を重ねてきました。そろばんを、能力開発のツールとして低年齢向けのカリキュラムを開発すると同時に、学習を通じて子ども達の未来に生きる力を育むための教育を実践しています。
目次
子どもの「生きる力とは」
2008年、文部科学省が小・中学校の学習指導要領を改訂の際に掲げた理念が「生きる力」です。この「生きる力」をより子どもたちの未来に活かせるように2020年度の改定で具体的に発展させています。
文部科学省によると「生きる力」は「知・徳・体」の三つをバランス良く総合的に育むものとされています。
=知=
基礎的な学力、学問の基本を確実に身につけ、その知識を活用して自ら課題を見つけ、自ら学び、考える力。
見つけ出した課題に対して主体的に判断・行動し、より良く問題解決する資質や能力。
=徳=
自らを律しながら、他者と協調性を持って行動する力。
思いやりの心や感動する心などの、豊かな人間性。
=体=
たくましく生きるために健康で過ごす力や、体力。
これまでの知識偏重、つめこみ型の教育から、ITやAIなどが発展し、変化スピードの激しい未来を生きるために必要な教育も変化しています。
子どもたちに夢を持つ力を、そのために必要なこと
科学技術の発展や、ITの力で世界中の人たちと繋がり、私たち人間の可能性は大きく広がりました。その可能性にチャレンジするために必要なのは「夢を持つ力」ではないでしょうか。最初から「自分には無理」「やっても無駄」とあきらめてしまうようでは、何もできません。
夢を持つ力を宿すために必要な3つの要素をご紹介します。
自立
「自分のことは自分でできるよ」
成長過程で子どもは、親の手を借りずに、自分でやってみたいという欲求を持ち成長していきます。教育の目的も、最終的には、親がいなくても自分自身の力で子どもが生きてけるようになるためのものでしょう。
中国のことわざに「お腹がすいている子どもに魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えなさい」というものがあります。
大人はつい、子どもの面倒をみることが親の役割であると勘違いして、手を出し、口を出し世話を焼きたがりますが、まずは自分のことは自分で管理できる力を身に着けられるようにしましょう。
◆「いしど式」で心掛けている「自立」のための具体例
・持ち物の管理(忘れ物をしない、カバンの整理整頓、事前の準備)
・時間の管理(時間を守る、期日を守る、時間を意識する)
・生活習慣を整える(早寝早起き、決まった時間に食事をする、スケジュールを守る)
自律
「自分の心を自分で制御できる力」
世の中は、簡単な方へ、楽な方へと流される傾向にあります。より手軽に、より便利に苦労なくできるサービスに溢れているからこそ、自分を律する力が必要になります。
人より秀でた何かを身に着けるためには、時には歯を食いしばり、努力を続けなければなりません。そして、頑張り続けたその先には、大きな喜びと感動があることを体験し、知っている人は、更に挑戦し成長し続けていきます。だからこそ、幼少期にそのような体験をすることが大切です。
そして、他人に迷惑をかけるような自己中心的な考えは「自立」しているとは言えません。自分の事ばかりではなく、他人を思いやれる心も大切です。
◆「いしど式」で心掛けている「自律」のための具体例
・人に迷惑をかけない(学習中に立ち歩かない、おしゃべりしない)
・簡単な方にながされない(段階別のカリキュラムで少し難しいにチャレンジ、検定試験)
・しつけ3原則(挨拶、感謝、後始末の徹底)
・短期、中期、長期 3段階の目標設定
自信
「自信を持ちなさい」
そう、言葉で言われて自信を持てるものではありません。
自信に必要なのは経験です。
「難しそうだけどやったらできた」「上手にできて褒められた」そんな経験を通じて自信は養われていきます。人と比較して、人よりも優位になることが自信をつけることではありません。比較対象は自分自身です。自分ができなかったことが、できるようになればいいし、何度やっても、何回繰り返しても出来る様になれば、それが自信につながるのです。
◆「いしど式」で心掛けている「自信」をつけるための具体例
・個別対応(一人一人のペースに合わせた学習ペース)
・イメージコントロール法(プラス思考、創造力)
・競技大会(レベルに合わせた晴れの舞台)
そのために大人ができる手助けは
夢を持つ力を宿すために必要な3つの要素は、大人が支持命令してやらせるものではありません。では、大人はどのように理解し、どのようなサポートができるのかを解説していきます。
①いつも笑顔でいること
全てにおいて、子どもが安心できる環境が大切です。大人がイライラしていたり、常に怒っているような態度では子どもは委縮してしまいます。
人の心は伝播するものです。一番身近にいる大人が笑顔でいれば、自然と笑顔が伝播します。そのためにも、心にゆとりをもって、笑顔でいられるよう心がけましょう。
②子どもの気持ちに寄り添う
大人から見ると子どもの行動は不可解なことばかりです。「なんで、そんな無駄なことするの?」そんな風に思う事も多いでしょう。その無駄なことも、大人は経験をしているから無駄だとわかるのです。どんなことも最初か決めつけずに、「なぜ、その行動をしたのか?」「今、子どもはどんな気持ちなのか」子どもの目線から見てみると新たな発見もあるはず。
何事も決めつけずに、気持ちに寄り添ってみましょう。
③声かけの極意
つい、私たち大人は子どもに命令をしがちです。「早くしなさい」「宿題しなさい」命令されるほど、指示に従いたくなくなるのは大人も同じではないでしょうか?
「早くしなさい」ではなく、「いつまでにやるか教えて?」と尋ねてみましょう。自分で「いつまでにやる」と決めることで、人は自分の約束は守ろうとするものです。または「出来なかったら手伝おうか」と言うと、「自分でできる」という気持ち帆脳が強くなり、やり始めたりします。宿題も「お母さんも勉強するから一緒にやろうか」という風に誘ってみると気分を載せられるかも知れません。
④完璧を求めすぎない
子どもは、まだ手先も不器用ですし経験も浅いので、大人と同じようにうまく出来ることは少ないでしょう。だからと言って、子どもがやったことに口や手を出していては、子どもは満足感も得られませんし、自分がやるよりもやってもらいたいと考えるようになってしまいます。 常に手直しをされてしまうと「どうせ自分がやってもダメなんだ」そう感じてしまうかもしれません。多少見栄えが悪くても、完成度が低くても、そこはちょっと我慢して、やり遂げたことを認めるようにしましょう。
⑤心配しすぎない
子どもに対する配慮は、怪我が無いように、危険がないようにすることに気を付けて、失敗は出来るだけ多くさせましょう。
子どもを守ろうとすればするほど、子どもは弱くなっていきます。
失敗をさせないように気を遣うことよりも、あえて失敗をさせて、そのフォローをどうしようか考えたほうがいいですね。大人が転倒すると大けがしますが、子どもは転んでも軽症のことが多いですよね。トライ&エラーを見守ってあげましょう。
いしど式で心がけていること
いしど式は、ただのそろばん教室ではありません。
そろばんを通じて、未来に羽ばたく子ども達に寄り添い、その力を最大限に発揮するための教育メソッドがあります。
私たち、いしどの先生は、一人ひとりの個性に寄り添い、一人の人間として正面から向かい合い、成長をサポートしていいます。
第二のお母さんであること
「いしど式の先生は、第二のお母さんである」と、思っています。
能力開発のためのそろばんは、低年齢化が進み、早いお子さんは3歳から学習を始めます。
そして、長く通塾するお子さんは、中学生、高校生になってもそろばんを頑張っています。
学校の担任のように、年度ごとに交代はせず、長い期間をかけて生徒さんの成長を見守る場合が多いのです。だからこそ、幼少期から、反抗期だったころのことまですべてを知っています。そして、良くないことをした時には、その子を思って本気で叱ります。
そんな私たちは、お母さんの次の存在であると自負しています。
お母さん、お父さんの「子育てのいちばんの理解者」であること
子育ては、尊く、そして偉大な使命です。子どもの成長は何よりの喜びだと思います。けれど、はじめての子育ては上手くいかないことも多いでしょう。親が、どんなに努力しても、思い通りにならないことも多いでしょう。そして、現代社会では、子育ては親子一対一で孤独になりがちな傾向もあります。
私たちは、子育て中のお母さん、お父さんと喜怒哀楽を一緒に共有し悩みを相談できる一番の理解者でありたいと思っています。
最後に
子どもの可能性は無限大です。そして、その芽が伸びる方向は、ひとり一人千差万別です。
早咲きの子もいれば、遅咲きの子もいます。
活発な子もいれば、慎重派の子もいます。
おしゃべりな子もいれば、無口な子もいます。
親はついつい、人と比べては、違うことを心配してしまいますが、これからは、個性の時代。人と違うことが武器になる時代です。
差別化のためにも、「これだ」と思うことをとことんやってみる。
高い山を目指すほど、困難は多いけれど、てっぺんに立った時、見える景色は大きく違います。
子ども達が、大きな夢を描くための、土台を築けるように見守っていきましょう。