教育・子育て

2022/09/10

「私がナンバーワンよ!」。天才ゴルファー・須藤弥勒さんがそろばんを続ける理由

 
 

「私がナンバーワンよ!」でおなじみの天才ゴルファー・須藤弥勒さん(10歳)。ジュニア四大メジャーのうち3つを制し、グランドスラム達成をかけて挑戦を続けています。
その活躍の裏には、父・須藤憲一さんの強力なバックアップがありました。今回は、天才ゴルファーを生み出した子育ての秘訣と、どんなに忙しくてもやめないというそろばんについて、「いしど式」そろばん教室の沼田紀代美が詳しく伺いました。

 

おむつをしながら初めて握ったクラブ。一度も空振りをしなかった

 

沼田: 須藤弥勒さんは2017、2018年に世界ジュニアゴルフ選手権で史上最年少優勝。2019年にマレーシア世界選手権、2021年にキッズ世界選手権を制し、ジュニア四大メジャーのうち3つのタイトルを獲得しています。弥勒さんとゴルフとの出会いはどのようなものだったのでしょうか?

須藤さん: 弥勒が1歳半のとき、研究のために滞在していたミャンマーから日本に帰国しました。何かスポーツをさせたいと思って、室内でできるものをとおもちゃのクラブを渡したのです。すると、なんと一度も空振りをしなかった。構え方や打ち方を見ても、とても初めてとは思えませんでしたし、ボールをきれいに取り、スパッとフィニッシュを決めていた。「まだおむつをしているのに、これは天才なのではないか」と、本格的にゴルフを始めることを決意しました。

沼田: 憲一さんは弥勒さんを応援するため、キャリアチェンジまでされたと聞きました。

須藤さん:東京大学の大学院を出た後、10年ぐらい大学で研究職に就いていました。弥勒のゴルフの才能を見出した後は、大学を辞め、彼女の練習をサポートするためにゴルフ場に勤務しています。弥勒の練習に付き添うことは私の喜びですし、家族を支えることにつながる。後悔はまったくしていません。

沼田:大学ではどのような研究をされていたのですか。

須藤さん: 仏教です。余談ですが、弥勒の名前も、私の研究に由来しています。“飛び抜けた存在になってほしい”という思いを込めて、長男の名は桃太郎とつけたのですが、長女の名前をどうしようと考えたとき、ワンアンドオンリーの名前を思い、弥勒菩薩から名前をいただきました。私の実家が寺ということもあります。ちなみに、次男の名前は文殊です。

沼田: ご家族の仲がとても良いと伺っています。

須藤さん: そうですね。ただ、練習のために離ればなれになる時間も多いのが現実です。自宅からゴルフ場まで車で3時間かかりますから、週の半分はゴルフ場近くに滞在しています。弥勒がこの生活を始めたのは小学校1年生のとき。まだ母親と一緒にいたい時期なのに、精神力が凄まじいなと思いました。

 

そろばんのおかげでパターも理論的に打てるように

 

沼田: そろばんはどのようにして始められたのですか。

須藤さん:妻がそろばんの有段者で、「子どもたちには絶対にそろばんをやらせたい」という強い思いがあったのです。私自身もそろばんの経験がありましたから、やらせるのは大賛成でした。桃太郎も弥勒も、3歳からそろばんを始めています。桃太郎にいたっては、満足に字も書けないうちからそろばんを始めました。文殊もそろばんをやっています。

沼田:そろばんはどのようにゴルフに生かされているのでしょうか。

須藤さん: 弥勒はパターで知られるようになりましたが、そろばんのおかげで『比重×スピード』の計算が自然にできるようになったようです。感覚で打つのではなく、計算に基づいて打つ。これが小学校2、3年生ですでにできるようになりました。また、これは3人の子どもを見ていて思うのですが、集中できる「ゾーン」にパッと切り替えられるのです。有名なプロゴルファーのジャック・ニクラスは、プレー中の集中力が凄まじく、帽子が飛んでいったことに気づかなかったというエピソードがあります。実は弥勒も、同じことが今まで何回もありました。

沼田: それはすごいですね。海外の選手に比べてどうでしょうか。

須藤さん: そろばんをやっていない海外の選手と比べて、集中力ももちろんですが忍耐力も違うと思っています。海外の選手は9ホールで集中力が切れてしまうようなのですが、弥勒はびくともしません。後になればなるほど、弥勒の持ち前の強さが発揮できるのです。いしど式は右脳を鍛えることを掲げていますが、弥勒の暗算を見ていると、普通の人とは違うところで脳が動いている感じを見てとることができます。学校の勉強では身に付かない力がついているように思います。

沼田: そろばんは指先を使うので、脳の発達を促すと言われています。

須藤さん: そうなのでしょうね。海外で暗算をすると「ヒューマンカリキュレーターだ!」などとよく褒められます。私は昔、研究でインドに行ったことがあるのですが、経済的に貧しいなか学校でものすごい暗算をしているのを見たことがあります。今やたくさんのインド人がシリコンバレーで働いているでしょう。まさに人材こそが資源。国力が低下するなか、シークレットウェポンがそろばんなのではと思っています。

 

弥勒さんが試合でも発揮していた「集中力」そろばんで身に付く力はほかにも

そろばんで鍛えた集中力や忍耐力に支えられ、世界のゴルフシーンで戦う弥勒さんですが、実はそろばん=計算力だけではなく、脳の能力を発達させるのに効果があることが最近分ってきており、海外からも注目されています。

いしど式でも「6つの力」として紹介しており、脳の発達の著しい幼少期ほど効果が照明されています。

もちろん、デジタル化の進む近年の社会情勢からもSTEM教育などの計算力が重要とされていることをはじめ、情報処理能力など将来にも影響がある能力が総合的に身に着けられるのです。

 

そろばんはいろんな効果がある。まさに「万能薬」

沼田: 弥勒さんは他にどのような勉強をしているのですか。

須藤さん: 英語、書道、ピアノ、水泳をやっています。乗馬もやっていたのですが、落馬するとゴルフに支障が出るので途中でやめました。そろばんの塾に通うのに2時間ぐらいかかるのですが、基本的に週5日続けています。よく、中学校受験のためにそろばんをやめてしまう子がいるようなのですが、本当にもったいない。弥勒はゴルフを休む日はあっても、そろばんを休む日はありません。合理主義者の私が弥勒にそろばんをやらせているのは、それだけの効果があるからです。一度ゴルフが忙しくてそろばんを休んだときがあるのですが、パターを感覚で打つようになってしまい、慌ててそろばんを復活させたことがあります。

沼田:そう言っていただけると嬉しいです。30名程度の限られた人数ですが、卒業生へアンケートをとったところ、平均で偏差値68の高校に合格していたというデータがでました.。そろばんを続けることで単なる計算力だけではない力が身に付くことを感じます。

須藤さん:そろばんはまさに「万能薬」。そういう習い事は他にないですね。ゴルフ以外では、そろばんを中心に置いています。

沼田: 普段の日のスケジュールを教えてください。

須藤さん: 自宅で過ごす日とゴルフ場近くで過ごす日では違うのですが、自宅にいるときは、5時に起床してすぐに勉強です。学校が8時過ぎから16時ぐらいまでで、その後そろばんの塾に行きます。帰宅するとシャワー浴びて、パターの練習だけします。その後は勉強して就寝です。休みの日は、イベントがないときはずっと勉強しています。ゴルフ場近くに滞在しているときは、体力づくりのため7時30分ごろまで寝かせるようにしているのですが、起床後は漢字ドリルを2時間。歴史人物や国旗、世界の首都を勉強できるような教材を、車の中などで行います。9時30分〜10時頃から日没までゴルフ。宿舎に帰ったあとはパターの練習をし、夕ご飯を食べながら歴史のビデオを見ます。夕食後は勉強時間と自由時間です。

 

弥勒さん1日のスケジュール

 

沼田: かなりハードなスケジュールですね。

須藤さん:大変だとは思いますが、弥勒にはゴルフだけの人間になってほしくないと思っているのです。欧米は特にそうだと思うのですが、スポーツ選手でも学業と両立させていて、スポーツを引退した後に他の道に転身したりするでしょう。ゴルフはもちろんですが、学業でも自信をつけてほしいと思っています。

 

学業とスポーツの両立は難しい?実はバランスよく行うことで相乗効果に

文武両道は難しいと感じている人も多いのではないでしょうか。実は学業とスポーツは相互に影響し合うことが多く、両立することで様々なメリットがあります。

スポーツは、身体的にも精神的にも健康を保つことができるほか、ストレスを解消し、気分をリフレッシュし、自信や達成感をることができます。※1

一方学業は、さまざまな分野の知識を習得し、ものごとを論理的に考える力や問題解決力などを養うことができます。

スポーツと学業は、共通のスキルや態度を必要とします。目標を設定し、計画を立て、努力を続けるというプロセスが大切なところです。また、自己管理や時間管理、協調性やコミュニケーション能力などもどちらにも求められます。これらは、社会に出ても役立つスキルや態度です。

文武両道は、学業とスポーツの両方に優れていることを指す言葉です。難しいと感じるかもしれませんが、実は学業とスポーツは相互に影響し合うことが多く、両立することで様々なメリットがあります。

文武両道を目指すには、自分自身の学業とスポーツのよいバランスを見つけること、学業とスポーツの関連性を意識すること、学業とスポーツの両方を楽しむことに気を付けると良いでしょう。

 

※1 参考:「運動・スポーツと脳 ー文武両道は成り立つのか?ー」中京大学教養教育研究院,神戸大学大学院人間発達環境学研究科調査 より

 

子どもの得意や情熱を親が掬い上げれば自然に続けられる

 

沼田: 弥勒さんのモチベーションに、どう気を配っているのでしょうか。

須藤さん: 燃え尽き症候群だけは気をつけています。ゴルフに限らず、小さい頃からスポーツなどをやらせている親には熱い親が多いと思うのですが、弥勒には自分の人生を生きてほしい。これはよく批判されるのですが、弥勒にはあまり試合に出させていません。というのも、試合があるとモチベーションが高まるのですが、こういうモチベーションというのは長続きしない。子どもならば、もって2年ぐらいでしょうか。モチベーションは、大きくアップダウンするよりも、下がらないように一定のレベルを維持することが大事だと思っています。勉強ももちろん同じです。

沼田: 『ゴルフなんてもう嫌だ!』となるようなときはありませんか?

須藤さん: ないですね。これは弥勒に限らず、長男も次男もそうなのですが、子どもの“好き”や“やりたい”を上手く親が掬い上げてやると、子どもは続けるものです。本人の中で「これでやっていくんだ」という覚悟が生まれるようです。どんな小さなことでも構いませんので、お父さん、お母さん方には子どもの得意や熱意を見つけてほしいと思います。子どもには全員才能がありますが、才能を発揮できる分野に巡り合えれば、目をみはるような成果を出します。才能を生かせる分野を見つけられなかったり、親が無理矢理やらせたりするようだと、不幸な結果を生みます。

沼田: 何か一つの得意分野を見つけるというのは大事ですね。

須藤さん:長男は、三国志の武将を覚えるのが得意。あるとき褒めたら、ものすごくマニアックな武将の名前を覚えてくるようになりました。本当に小さなことでいいと思います。いしど式は、大会やコンクールなどがたくさんあるでしょう。あれはとてもいいと思いますね。子どもの励みになりますし、いい成績が出せると自信につながる。子どもも飽きません。

沼田: そろばんも、古き良きという点を改めるべき時期に来ているかもしれません。子育てで特に気をつけていることは何でしょうか。

須藤さん: 情報処理能力を身に付けさせることです。この30年間だけでも、コンピューターが発達して人類の文明がまったく変わりました。これからもものすごいスピードで変わり続けていくことでしょう。それに遅れずについていくには、情報処理能力が何よりも大切です。そろばんをやらせることで、間違いなく情報処理能力が付いていると思っています。そういう意味でも、いしど式からスポンサードをいただけてとても光栄です。

沼田: こちらこそ光栄です。史上初のジュニアグランドスラム達成を楽しみにしております。

 

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▼プロフィール

須藤弥勒(すどう・みろく)

2011年8月6日、群馬県生まれ。2歳からゴルフを始め、2017年、18年に最年少で世界ジュニアゴルフ連覇。2019年にマレーシア世界選手権、2021年にキッズ世界選手権を制する。家族は父の憲一さん、元ピアニスト・フィギュアスケート選手のみゆきさん、兄・桃太郎さん、弟・文殊くん。

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