子どもがこれからの社会で生きていくうえで必要となる能力のひとつとして「創造力」が注目されています。創造力には似ている言葉に発想力や想像力があり、具体的にどんな力か分からない、という方も多いでしょう。
この記事では、創造力の概要や似ている言葉との比較、さらに創造力があると得られる強みや、創造力の鍛え方を解説します。
目次
「創造力」とは?
想像力とは、辞書では「新しいものをつくりだす能力」と書かれています。2006年に経済産業省が提唱した「社会人基礎力においての創造力」は、「新しい価値を生み出す力」と定義されています。
特にこれからの時代は、解答が一つだと決められていない課題に対して、自分なりの答えを見つけ出せる能力としての創造力が重視されるでしょう。創造力があることで新しい価値や仕事の創出につながり、子どもが自分自身で将来の選択肢を増やせるようにもなります。
「創造力」がなぜ必要とされている?
政府は、我が国が目指す未来社会として「Society 5.0」を提言しました。Society 5.0ではAIの発展、高度情報化、グローバリゼーション、DX化などにより、社会のあり方そのものが大きく変化します。過去の常識や既存の知識、成功するための布石など、今まで当たり前だったことが通用しなくなることも多くなるでしょう。
予測不能な時代を生きていくためには、自分で解決策を生み出せる「創造力」が必要です。イノベーションを生み出す元となる創造力は、急速に変化する世界においてますます重要性が高くなっていくでしょう。
創造力とよく比べられる言葉
創造力と似ている言葉に「発想力」と「創造力」があります。実はこのふたつの力の発揮にも創造力が大きく関わっています。発想力と創造力について解説します。
①想像力
想像力とは、英語で「imagination(イマジネーション)」を指します。想像力は、実際に経験していない事柄や実在しない事柄を頭のなかであれこれと思い描く能力です。また、哲学用語における想像力とは感情と知性の間にある、ものごとを理解できる様に構想する能力と定義されています。
想像力によって実在しないものを頭の中で作り出したあと、実現や実行させるには創造力が必要です。
②発想力
発想力は英語で「power of idea」「expressive power」「inventiveness」「creative power」 などが該当します。これまでに得た知識や経験をもとに、さらなる新しいアイディアを生み出す力のことです。発想力を発揮して新しいアイディアを次々と思いつけますが、実現するにはやはり創造力が必要です。
以上のことから、想像力や発想力によって生み出した想像やアイディアを形にするために創造力が必要になります。
創造力が豊かだと、どんな強みがある?
創造力が高い人は、さまざまな強みを持っています。
・物事への興味関心が高い
・インプットとアウトプットが得意
・実現のために行動とチャレンジを繰り返せる など
創造力がある人は、発想やアイディアを実現するためにとことん追求をします。興味のあることなら繰り返しチャレンジしたり、調べたりするのも苦になりません。また、課題への興味と関心が高いことから、自分で調べた多くの情報をインプットしつつ、精度の高いアウトプットが可能です。物事を多角的にインプットし、新しい方法や解決策をアウトプットすることもできます。
創造力のある人は、トライ&エラーを繰り返すことで創造物を増やしていきます。失敗をおそれない旺盛なチャレンジ精神をもっているのも、創造力がもたらす強みと言えるでしょう。
これらの創造力の強みが、将来どのように活用されるかの例を次に解説していきます。
ビジネスシーンで
前述の通り、テクノロジーの進化や浸透によって今後はAIにはできない、人間固有のスキルが重要視されるようになります。ビジネスシーンにおいても、創造力が求められるシーンが多くなるでしょう。
接客業や開発者のように業種や職種は異なっても、目の前で起きる予期せぬ変化や問題に対して創造力を発揮し、解決していけるスキルが求められます。今後はあらゆる業種や分野で創造力が求められるようになる可能性があります。
仕事の選択肢の幅
何もないところから何かを生み出すクリエイティブ系の職種において、創造力は特に求められる能力です。
・イラストレーター
・グラフィックデザイナー
・サウンドクリエイター
・おもちゃクリエーター
・クリエイティブディレクター
・アニメーター
・ジュエリーデザイナー
・インテリアデザイナー
・VRアーティスト
・ミニチュア写真家 などが当てはまります。
新しい価値観やイノベーションの創出につながる創造力は、現代社会でも企業の競争力向上に貢献している能力です。そのため従業員の持つ創造力を企業にとっての重要な財産と位置付け、「チーフ・イノベーション・オフィサー」などの役職を設置するなど、創造力を重視した動きを見せている企業も多くなりました。
創造力を鍛えことで将来選べる職種の幅が大きく広がります。キャリアアップにも有利と言えるでしょう。
鍛えるにはどうしたらよい?
創造力は今後ますます重要になってくる能力です。「たくさん時間を取って創造力を鍛えたい」「創造力を鍛えるにはどうしたらいい?」と悩む方も多いですよね。次に子どもの創造力を鍛える方法、さらに大人も一緒に楽しみながら創造力を鍛えられる方法を紹介します。
①子どものうちから取り組みたいトレーニング
幼少期は柔軟で常識にとらわれない自由な発想ができる時期のため、創造力を伸ばす最適期と言えるでしょう。子どもは遊びやささやかな取り組みからも創造力を鍛えられます。効果的な遊びを取り入れて、日常生活の中で子どもの創造力を鍛えましょう。
遊びの種類 | 創造力を鍛えられるポイント |
ごっこ遊び | ・異なる視点で物事を考えられる・キャラクターや話の流れを考えられる・身の回りのものを見立てて遊ぶ |
工作(折り紙、絵具、段ボールなど)砂場遊び何かを作る遊び | ・年齢に合わせて創造力を鍛えられる・積み木を並べる、重ねるだけでもOK・子どもの自由な発想を実現できる |
リトミック・ダンス | ・聴覚からアプローチ・音を聞いて考えて行動に移すプロセスから創造力を鍛える・感じたことをダンスで表現するのも有効 |
プログラミング(プログラミング教室やプログラミングのおもちゃ) | ・プログラミングするための思考法を学べる・手順や条件を考えたうえで動きを考える・失敗や試行錯誤を繰り返して効率の良い方法を見つけられる |
大人は以下のように、子どもの創造力を鍛えるサポートをしてあげましょう。
・親がお手本になる
・失敗しても手助けせず、子どもの自主性に任せる
・具体的に感想を伝える
・子どもがひとりで夢中になれる時間を作る
②大人になってからも鍛えられる!
幼少期は創造力を鍛える最適な時期ですが、大人になってからでも創造力は鍛えられます。大人に必要とされる創造力とは、ビジネスにおいて常識にとらわれない工夫や発想によって、新しい価値を生み出せる力や、生産性の向上のための力を指します。
大人の創造力のレベルをまとめました。「レベル5」に該当する人が、創造力のある人ということになります。
・レベル1(明確な指示を受け「部分的な作業」を任される)
・レベル2(一連の仕事の手順を理解し「作業全般」を任される)
・レベル3(複数の手順や方法から最適な方法を選択・実行でき「責任」を任される)
・レベル4(仕事の手順や方法に問題意識を持ち、工夫や改善を加えられる)
・レベル5(新しい価値を生み出すために、前例や常識そのものを変革・創造できる)
大人が創造力を鍛える方法をまとめました。
・結果より行動に目を向けるようにする
・正解をうのみにせず、つねに試行錯誤する
・挑戦を楽しむようにする
・求められたこと以上の成果を達成しようとする
・誰も気づかない課題や問題を探す
・問題を新しい解釈や枠組みでとらえてみる
・常識や固定観念にとらわれない解決策を考える
・従来のやり方ではなく独自の工夫で物事に取り組む
・別の概念を組み合わせて物事を見る
・似ているものから推論する「アナロジー」を使う
・思考する習慣を身に付ける
・多様性、寛容性を認める環境に身を置く など
重要なのはセンスよりも経験の積み重ね
創造力が生み出す「ひらめき」は、天才だけの特別なパワーや、生まれながらに備わるセンスだけではなく、経験の積み重ねによって引き出されます。
ニュートンが万有引力を発見した素晴らしいひらめきに至ったのは、ニュートンが天才だったからではありません。引力についてそれまでとことん考え続けた蓄積があったからこそ、万有引力の発見に至りました。つまり、ひらめきとは何も無い状態から突然湧き出るのではなく、蓄積されたものを組み合わせて生まれるものなのです。
かといって、論理的な思考や分析ばかりをいくら続けても、クリエイティブな発想は生まれません。
“直感力を鍛えるのに必要なのは、3つのA――
① Action(行動)
② Awareness(気づき)
③ Acceptance(受容)
*『IDEA HACKS!』など多くのビジネスパーソンに支持されているハックシリーズの著書
コンセプトクリエイターの小山龍介氏による説
小山氏によると「新しい発見やアイデアを生むには、過去の既成概念から離れて、物事をイメージとしてとらえることが重要」だといいます。
まとめ
将来確実に必要とされ、
ますます重要度の高まる創造力。様々なものがAIで解決する未来で、人間にしかできない創造力で新しいものを生み出す力の向上を、小さいうちから是非とも心がけていきたいですね。
ひらめき力が身に付くそろばん!
珠算式暗算(そろばん)の勉強法は、目、頭、指先を駆使したインプットとアウトプットの作業を日々繰り返すことです。直感力をつかさどる「右脳」を鍛え、ひらめきの土台となる情報の蓄積につながります。
さらに、珠算式暗算を行うときには右脳が刺激されるだけではなく、脳のリラックス状態を示すα波が出ることが最近の研究でわかっています。実はひらめきや創造は、リラックスした状態のほうが生まれやすいのです。
このように、そろばんとひらめき力が密接な関係であることは、さまざまな文献に記されています。お子さんの将来のためにそろばんを取り入れようと考える親御さんも、近年増えています。
そろばんの力+いしど式の学習法でひらめき力UP!
いくらそろばんが効果的とはいえ、始めて数ヶ月足らずでひらめきや想像力が身に付くわけではありません。前述したように、ひらめき力や想像力は職人技のごとくとことん何かをやり尽くし、経験を十分に積んだ上で辿り着ける、ある意味特殊能力のようなものです。
子どもたちがそろばんを繰り返し、意欲的に取り組めるための目標としていしど式では「検定・競技会」を設けています。
一般財団法人全国珠算連盟に加盟しており、珠算、暗算、読上算、読上暗算の4種目の検定が随時教室で受験可能です。1〜2ヶ月に一回の各種検定、年に2回の競技会に照準をあわせて日々訓練を繰り返し、自分の技術を研ぎすましていきます。この繰り返しの練習と本番の“量”がおのずと、①Action(行動)②Awareness(気づき)③Acceptance(受容)のサイクルをつくっていきます。
やる気を引き出すいしど式で、お子さんの持つひらめきや創造力のもとを育み、未来の可能性を広げてみませんか。
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