教育・子育て

2022/11/13

集中力が増す食べ物とは?毎日の食事から手軽なおやつまでフィットする摂取方法を見つけよう!

勉強するとき、テストのときなど「集中したい!」ときがありますよね。集中力を発揮するには脳の働きに関連する栄養素が必須となります。この記事では、集中力が増す・切れるメカニズムから集中力を発揮するために必要な栄養素とそれを含む食材、おすすめの接種方法を紹介します。

 

集中するって、どういう状態?

「集中する」とは、ある物事や気持ちに意識や注意を集めて取り組む状態のことです。集中することで短時間で学習や仕事の能率を上げられる一方、多くのエネルギーも消費します。そのため、人間の脳は3つのネットワークを使って脳に余分な情報を入れないようにしていると言われています。

 

・デフォルトモード・ネットワーク

特定の何かを意識していない状態の脳の回路です。「ぼーっとしている」状態と言われ入浴中、散歩中などリラックスしている状態に働きます。意識的に何かを考えていない(脳が休んでいる)間は、体験や記憶が整理されています。

 

・セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク

積極的に思考を駆使し、何かに意識や注意を向けている状態の脳の回路です。

 

・サリエンス・ネットワーク

上記のふたつのネットワークの切り替えをしていると言われる脳の回路です。

 

脳のネットワークが働くときには多くのエネルギーが必要です。さらに子どもの脳が集中力を発揮するためには十分な睡眠、食事、運動(体を動かす遊び)が確保されていることが必須となります。

 

どうして集中は切れてしまうのか

人間はずっと集中することはできません。集中力が切れてしまう原因が、脳のエネルギー不足です。脳が働くのに必要な栄養素が不足すると、脳内物質がうまく生成や放出されなくなったり、脳の一部の器官が鈍ったりしてきます。その結果「眠い」「頭がぼーっとする」などの体の状態として現れ、集中力が続かない、すぐ切れてしまう原因となるのです。

 

集中力を高める食べ物とは?

集中力を発揮するためには、脳に必要な栄養素を食べ物から摂取するのが重要です。良く「集中力を高める」と言われている食べ物をまとめました。

・チョコレート・ココア

・バナナ

・ラムネ

・ガム

・青魚(サバなど)

・ナッツ類

・納豆

・豚肉

・ニンニク

・卵

・コーヒー・紅茶

・ペパーミントティー

・水

 

効果が期待できる食材、栄養素

脳の集中力を高める効果が期待できる栄養素を、摂取できる食材とともに解説します。

 

・糖質(ブドウ糖など)

糖質は摂取するとブドウ糖などに分解され、脳のエネルギー源として使用されます。

バナナ、ラムネなどに含まれています。

 

・ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、

葉酸、パントテン酸、ビオチン)

ビタミンB群は、脳のエネルギー生成や認知機能の発達、脳や体の働きを万全にする栄養素です。

豚肉、ニンニクなどに含まれています。

 

・カフェイン

眠気覚まし効果があるとされるカフェインには、神経の興奮を鎮める「アデノシン」の働きを阻害する効果を持っています。

コーヒー・紅茶に含まれていますが、過剰摂取をすると急性中毒を引き起こすため適度な量を守りましょう。

 

・メントール

ミントに含まれる成分で、清涼感を得ることでリフレッシュや頭を切り替えるといった効果が得られます。

ガムやペパーミントティーに含まれています。

 

・フラバノール

ストレスの軽減や認知機能の改善効果があると言われている成分です。

カカオを原料とするチョコレートやココアに含まれています。

 

・チロシン

アミノ酸の一種であるチロシンは、注意や記憶、学習に大きく影響する神経伝達物質「ノルアドレナリン」の合成に必要な物質です。

ナッツ類や納豆に多く含まれています。

 

・DHA

DHA(ドコサヘキサエン酸)は脳を構成する脂質のひとつです。理解・判断・論理などの認知機能に大きく影響しています。

サバなどの青魚に多く含まれています。

 

・レシチン

レシチンとはリン脂質という脂質の一種です。体内でアセチルコリンという物質に変わり、神経の刺激伝達物質として働きます。新陳代謝促進や動脈硬化予防効果もあります。

「卵黄レシチン」として卵、「大豆レシチン」として大豆製品に含まれています。

 

・水

水を飲むと、ホルモンバランスが整えられると言われています。イギリスの大学の研究では知的作業に入る前に500mlの水を飲んだ人と飲まなかった人とでは脳の反応時間が14%も早くなったという結果も出ています。

 

おすすめの食べ方

上記で紹介した集中力を高める栄養素や成分を豊富に含んだ食材を、上手に取り入れてみましょう。

 

①お菓子で手軽に!

 

チョコレート、バナナ、ラムネ、ナッツ類などはおやつとして摂取できます。勉強をする机のうえなどに置いたり、かばんや引き出しの中に入れたりすれば、好きなタイミングでおやつとして手軽に食べられます。

 

ガムは噛むことでも脳の血流を促進し、脳の運動野、感覚野、前頭前野、小脳などを活性化すると言われています。集中したいとき、メントールでリフレッシュしたいときにすぐ噛める場所にガムを用意しておくのもおすすめです。

 

ただし、チョコレートのように糖分が多い食品は過剰摂取にも気を付けましょう。ついつい食べすぎを防ぐために適度な量を守る、ビターチョコレートなど糖分が低い食品を取り入れるなどの工夫もおすすめです。

 

②お食事で!料理のレシピ

 

豚肉や青魚、卵などを使って料理を作れば、集中力が高まる栄養素を効率よく摂取できます。豚肉とニンニクは相性が良いため、ニンニク炒めなどで食べるのがおすすめ。一緒にナッツや卵を加えて炒めると、ビタミンB群とチロシンを一緒に摂取できます。

 

青魚に多く含まれているDHAは、熱に弱い特徴があります。おすすめの食べ方はお刺身です。サバのほかマグロやサンマにも多く含まれています。

 

大豆チロシンを摂取できる大豆製品は、豆腐、納豆、みそなどいろいろな形で摂取できます。メインの食材として使用するほか、お味噌汁にするなど取り入れ方の幅も広くなっています。

 

時短重視なら飲み物も

 

すぐに摂取したいときには、コーヒーや紅茶、お茶などカフェインを含む飲料や水を飲んで集中力を高める方法もあります。ただし、カフェインは中毒性があるため過剰摂取は避けるべきです。健康な成人の1日当たりのカフェイン最大摂取量は400mgで、インスタントコーヒーならマグカップ2杯半、紅茶ならティーカップ10杯分に相当します。

 

そして、子どもは大人よりもカフェインを体内に取り込みやすい性質があります。摂取することで夜眠れなくなる、興奮しやすくなるといった弊害が出る可能性があります。できれば中学生や高校生になるまではカフェインの接種は控えた方が良いでしょう。

 

こんな時に!シーン別おすすめ

「集中力が欲しくなる」シーンは、宿題や勉強など日常生活の中にもあれば、テストや勝負ごとなど「ここぞ!」というときもあります。集中力が欲しくなるシーンとともに、おすすめの栄養素や食材の接種方法を紹介します。

 

h3:①朝に食べておきたい!

 

1日のエネルギー源として必要となる栄養素を、朝食に取り入れて食べるのもおすすめです。

・ごはん派…お米から糖質を摂取、さらに納豆とみそ汁、卵料理などをプラスしてレシチンやチロシンを摂取。焼き魚をプラスしてDHAを摂取。

・パン派…パンから糖類を糖質、ピーナッツクリームを取り入れるとナッツ類からチロシンを摂取できる

・あまり食べたくない派…バナナ1本から糖質を摂取できる

 

ただし、朝ごはんは1日のスタートを決める食事でもあります。朝は忙しくなかなか凝った食事を用意できないということも多いですよね。朝ごはんはあまり集中力を高める食材に振り回されることなく、健康も考えバランスの良い内容を心がけましょう。

 

②すぐに効果が欲しい!

 

「今すぐ集中力が欲しい!」というときにおすすめの栄養素が糖質です。糖質は栄養素の中でも、摂取してからもっとも早くエネルギーに変わります。糖類を摂取すれば、いち早く脳や体をしっかり動かす力となってくれるでしょう。

 

糖質の中でも、脳を動かすエネルギーとなるのが「ブドウ糖」です。ブドウ糖を主成分として、いつでも手軽に摂取できるのがラムネです。おやつ代わりのラムネ菓子を、集中したいときにさっと食べるのがおすすめです。

 

③テスト期間中に食べたい

 

テスト期間が近づくと、子どももナーバスになってきます。テスト当日までに集中力を高める栄養素を含む食事を作ってしっかり摂取してきましょう。

 

・集中力や記憶力を高める「レシチン」を含む卵や大豆を小鉢やスープで摂取する

・DHAを含む青魚は、缶詰や玉子焼きに混ぜて焼いて食べるのもおすすめ

・ナッツ類はおやつのほか、サラダのトッピングにも使える

・勉強の合間一息つくときにチョコレートやミルクココアを飲む

 

テストの直前や当日は、「生もの」「冷たいもの」「刺激の強いもの」を避けましょう。大切なテストや受験本番のときは子ども本人もナーバスとなっているため、ふだんよりも胃腸の調子が悪くなりやすいためです。生ものによって食中毒が起きやすい夏場などの季節にも気を付けましょう。

 

もしもテストの直前や当日に体調を崩してしまったら、無理に食べさせないようにしましょう。栄養素などは考えず、本人が食べたいものや食べられるものを少しずつ出してあげるのが重要です。

 

④コンビニでも手に入る!?

 

コンビニで販売しているものの中にも、集中力を高める栄養素を含む食材を使ったものはたくさんあります

・おにぎり…青魚が具のもの

・お弁当…豚肉や焼き魚がメインのもの

・パン…ピーナッツバターが入っているものや、卵サンドなど

・おやつ…チョコレートやラムネ菓子など

 

塾の前などコンビニで軽食を購入したいときにも、ぜひ参考にしてみてください。

 

【番外編】やる気に関係する食べ物もある?

集中力を出す前に「そもそものやる気が出ない」という人もいますよね。やる気が出ない原因のひとつに、腸内環境が悪いことが挙げられます。腸は第二の脳とも呼ばれていて、神経の一部を通じて小腸と大腸、脳はつながっていると言われています。ストレスや緊張を感じるとお腹が痛くなる、という経験をしたことがある人も多いでしょう。

 

・腸の環境を整えて「やる気」を出してくれる以下の栄養素と食材を取り入れてみましょう。

・水溶性食物繊維…海藻類、野菜、キノコ、穀物、豆類

・酸化していない(油で揚げていない)食べもの…新鮮な野菜、果物、海藻、魚

・ファイトケミカル…野菜、果物

・食物繊維を含んだ穀物…白米、パスタ、そば、パン

・腸内にたまった老廃物を出す…水を飲む

 

継続的な集中力ならこちらもおすすめ!

 

集中力を高める栄養素を食材から取り入れるのも良いですが「日ごろから集中力を高める取り組みがしたい」「もっと集中力を発揮したい」と思っているなら、おすすめなのが「そろばん」です。そろばんは計算力を身に付けられる習い事というイメージがありますが、実は集中力の強化にも効果があります。限られた時間内で正確に計算を繰り返すことで、集中力を養っていけるのです。

 

食べ物から集中力が欲しい「ここ一番」の栄養素を摂取するのも有効です。ただ、日々の努力の中でしっかりと集中力を身に付けたいなら、そろばんなどを学習し、自分の持っている集中力を底上げする方法がおすすめです。

 

また、そろばんは右脳と左脳をバランス良く鍛えることで情報処理力や判断力などを鍛えられる効果もあります。学習や仕事を効率よく進められる能力も身に付けられるので、一石二鳥ですね。

 

集中したいときの、自分の【おとも】を見つけてみよう!

 

集中力を発揮するメカニズムとともに、集中力の元となる脳のエネルギーに必要な栄養素とおすすめの食材、接種方法を紹介しました。この他にも、脳によいと言われている食べ物はたくさんあります。ただし大事なのは、あくまで栄養バランスです。いくら頭によいからといって、やみくもにその食材のみを摂取するのは正しい方法ではありません。この記事で紹介したさまざまな取り入れ方を参考に、自分にフィットする方法で栄養素を上手にバランスよく摂り、集中力の発揮につなげましょう!

 

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