教育・子育て

2022/10/28

「ごっこ遊び」は幼児教育にとても重要!狙いや身につく力を解説します

幼児期の定番 ごっこ遊びとは

子どもの頃に誰もがやったことのある「ごっこ遊び」。

お家でも、お砂場でも、お風呂でも、身近にある道具を使い、自由な発想で遊ぶことができる、世界共通の遊びです。

1歳半頃から、ティッシュの箱を車に見立てて「ぶーぶー」と言って動かすような「見立て遊び」が始まります。

3歳頃になると、見立て遊びと空想を組み合わせたごっこ遊びが始まります。お母さんが料理を作る姿を模倣した「おままごと」は、ごっこ遊びの定番ですね。

変身ベルトや剣を携えて、アニメのヒーローになったり、ティアラや宝石をまとったお姫様になる変身遊びも楽しかったですよね。

 

ごっこ遊びの狙いとは

ごっこ遊びは、家庭や日常の経験を真似た現実的なものから、想像を超えた非現実的なものまで様々で、大人から見れば愛らしくもあり、時に滑稽でもあります。

 

突然、膝を抱えて動かなくなった子に「どうしたの?」と、声をかけると「僕は、今、石ころになっています」と言われ大笑いしたことがあります。楽しく遊んでいた瞬間で決していじけた訳でもないのに、石ころになってしまった男の子。意図もタイミングも全く分からないけれど、彼は突然「石ころ」になりました。そして、周りの子ども達も真似して、次々と「石ころ」になっていきました。

 

意表を突いた「石ころ」遊びのように、時に大人には理解不能な「ごっこ遊び」は、子どもの成長に欠かす事の出来ない要素が沢山詰まった非常に意義のある遊びです。

子どもは、様々な経験を積み重ねて、自分の知識として吸収していくのですが、最初、これらは、ひとつひとつがバラバラで、関係性を持ちません。しかし、様々な経験を繰り返しているうちに、ひとつひとつの経験と知識が繋がり世界観が出来上がっていきます。

経験が蓄積されていくと同時に、記憶の引き出しが出来てくることで、葉っぱをお皿に見立てたり、木の枝を人形に見立てるなどした遊びが出来るようになります。

 

3歳頃になると、一人遊びから友達と遊ぶことができるようになっていくのですが、ごっこ遊びを通じて、人とのコミュニケーションを学び、社会性を身に着けていきます。また、イメージを膨らませながら遊びますから、創造力も豊かになりますし、試行錯誤するなかで、思考力も養います。

ごっこ遊びは「発想力」「創造力」「思考力」「コミュニケーション力」「協調性」など、子どもにとって必要な社会性を育むことができる素晴らしい遊びなのです。

 

最近人気のごっこ遊びはどんなもの?

いつも時代もごっこ遊びの定番は、仮面ライダーなど変身系ヒーローは人気です。

 

最近は

「ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン」

 (なんて、秀逸なタイトルなんでしょう(笑)

スーパー戦隊シリーズ

「騎士竜戦隊リュウソウジャー」

「機界戦隊ゼンカイジャー」 

(最近の戦隊ものの名前は、何度聞いても覚えられませんが、、、)など。

 

女の子の定番は、ディズニーのお姫様シリーズ。

リトルマーメードのアリエルや、美女と野獣のベルを好きな子が多いですよね。

 

①みんなで役割分担系

おままごとでは、一番身近な家族がテーマになることが多いですね。お父さんと、お母さん、兄弟姉妹や赤ちゃん。犬や猫などのペットも登場しますが、意外とこのペット役が人気だったりします。時には、人間や動物だけでなく庭の木になったり、時計になったり生物以外の登場人物もでてくるので子どもの発想は面白いですね。

 

店員とお客さんに分かれて「お店屋さんごっこ」をしたり、車掌さんと乗客に分かれて「電車ごっこ」など、身近でお仕事をする大人になりきった遊びもあります。

 

模倣することで、相手の立場を知り、気持ちを分かったりすることができます。

 

②一人でも!なりきり系

子どもの発達段階によっては、他者とのかかわりよりも一人遊びを好む時期もあります。また、一緒に遊ぶ相手がいない時でも、一人でなりきり系ごっこ遊びなら楽しめます。

人気のキャラクターになりきる場合、最近はゲームキャラクターになる子も多いようです。

一人でぴょんぴょん飛び跳ねている男の子に「何をしているの?」と聞いたら「マリオだよ!見たらわかるじゃん」と言われたことがあります。(自分はマリオの世界にいるけど、先生には見えませんよ(笑)

長く人気があるのは「ポケモン」、最近は「マイクラ(マインクラフト)」も盛り上がっています。

KPOPアイドルのBTSやTWICEを真似たりする子も多く、いつの時代もアイドルは不動の人気です。(私の時代は、キャンディーズと、ピンクレディでした。最近のパパ、ママ、世代は光GENZI!?いや、安室ちゃん、モーニング娘よりも若いぐらいでしょうか??)

 

ごっこ遊びっていつまで?

単純な見立て遊びから、コミュニケーションや役割分担によって遊びを発展させるなど、年齢によってごっこ遊びは進化します。大人のコスプレも一つのごっこ遊びと考えると、ごっこ遊びに年齢制限はありませんね。

 

ただし、7歳を過ぎたころから子どもの発達段階が変り、超現実主義へと移行していきます。現実では起こりえない空想の世界で生きていた幼少期から、論理的思考を獲得し、理数系の概念も発達していきますから、超現実主義に変っていきます。(お札より、小銭ももらう方が嬉しかった幼少期から、「同情するより金をくれ」という価値観に変ります)ですから、7歳以降から徐々に、自然な形でごっこ遊びは減っていきます。

 

0~1歳の乳児期

ごっこ遊びの初期段階。1歳半頃から物を何かに見立てたり、真似るなどしてごっこ遊びが出来るようになります。象徴機能の発達により、今、ここにないものを想像して遊ぶようになります。例えば、赤い積み木を消防車に見立てて「うーうー」とサイレンの音を真似たりします。

そんな姿を見て、「うちの子は消防車が好きなのね」とすぐにおもちゃを買い与えようとしますが、逆に想像力を奪ってしまうこともありますので、気をつけましょう。

 

2~3歳の乳幼児期

3歳頃から、見立て遊びにストーリーを加えた遊びへと発展し、想像力が豊かになってきます。また、自分自身を別の第三者(時には動物や、物)に置き換える変身遊び(ふり遊び)などもするようになります。但し、他者とのコミュニケーションはまだうまく取れないので、一人遊びも多く、お友達が隣にいても、それぞれが、別々の遊びをすることが多い段階です。

 

4~5歳の幼児期

4歳頃になると友達と役割分担をしたり、物の貸し借りを含めて交流しながら遊びを発展させていくようになります。 しかし、まだ十分な社会性は育っていませんから、役の取り合いや、ヒーローごっこで力の加減が分からず喧嘩になることもあります。

その場合は、大人がサポートに入り、順番を守る、怒っても叩くなどの乱暴はしないなど、ルールを教えていく必要があります。社会性を身に着けるとても重要な時期になります。

 

ごっこ遊びで身につく力

ゲームなど、人と交わらずに遊ぶ機会が増えている現代だからこそ、ごっこ遊びを通じて人と係わること。自分以外の人物になりきって遊ぶことで、相手の気持ちを想像し、経験をするなど。他社理解を深め、コミュニケーションを身に着けます。同時にルールも学びますから、社会性も身に着けることができます。

 

2018年に施行された幼稚園教育要領には、「色々な遊びを楽しみながら物事をやり遂げようとする気持ちをもつ」とあります。

友達と意見が合わなかったり、上手くいかない時に、自分がやりたいことをやり遂げようとすることは「生きる力」につながるのです。

 

大人はどう関わればいい?

大人は、子どもの世界観を大切にし、邪魔をしないこと。

 

私が幼稚園の先生をしていた頃。お砂場では道路工事ごっこが流行っていました。道路をつくり、山を作り、川を作ったときに「水を流そう」ということになり、荷台のついたミニカーに水を汲んでせっせと運んできました。しかし、砂場の川は、水を吸収してしまいつまでたっても川に水はたまりません。(しかも、ミニカーの荷台ですから、3ccぐらいの量です)そのうち、誰かがバケツを見つけて来て水を運び始めました。沢山の水を流せば大丈夫と思いきや、それでも砂の川は水を吸収してしまいます。

そこにお迎えのお父さんがやってきて、張り切って川づくりを手伝い始めました。さすが、お父さん、ビニール袋や木の枝を使って水をため、見事な川を完成させたのですが、これは、子ども達の学びの機会を奪ってしまったことにもなります。目的は立派な川を作ることではありません。子ども達が工夫して、協力しながら発見をしたりする過程が重要なのです。

大人はこうして、良かれと思って子どもの遊びに介入し、子ども達の学ぶ機会を奪ってしまうこともあります。おもちゃを買い与える事、子ども同士のトラブルを大人が解決することなど、手を出し過ぎてはいないでしょうか?

 

親子でこんな遊びはいかが?

そろばん教室に通っているご家庭で是非やって頂きたいのが「そろばんの先生ごっこ」です。

お子さんが先生役で、ご家族が生徒役です。生徒役になったら、そろばん経験のあるご両親でも、初めて習うふりをして下さい。そろばん経験が無ければ、演技は必要ないのでより良いですね。

先生役をやるためには、技術の理解と、どのように教えるかを知る必要があります。子どもは「先生ごっこ」をやるために、教室では、より一生懸命先生の言葉に耳を傾けるようになるでしょう。技術的な復習になるのはもちろん、準備やお片付けの時に言う先生の言葉を、自分から発することで、その目的や意味に気づきます。「姿勢をよくしましょう」とか、「遅刻をしないように」など、技術以外の大切なことも理解していきます。

大人が「宿題をしなさい」と命令しても、意欲は高まりづらいものです。「ごっこ遊び」なら自主的に学ぶことができますよね。そして、親も子ども役をすることで、たまには子どもに返ってその気持ちに気づくこともあるかもしれません。

 

まとめ

昔から当たり前のように行われてきたごっこ遊びですが、子どもの発達において、とても有効な遊びであることをご理解いただけたでしょうか。

是非、子ども達の世界観に触れ、大人も一緒に楽しい時間を共有しましょう。その中で、我が子の成長を感じることもできるでしょうし、成長のサポートをすることもできます。

 

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