子どものやる気を伸ばすために、何より大切なのは「親の応援」です。応援の仕方も人それぞれ。今回は競技会にも出場している生徒の保護者から、子どもとの向き合い方について聞いてみました。

木村さん私自身が「そろばん」をやっていたので、子どもにもやらせたいと思っていました。ちょうど上の学年のお友達がイシドに通っていて、子どもも「自分もやってみようかな」と興味を示したので、年長の夏休み明けから始めました。私は小学4年生からでしたが、暗算の能力をつけるなら早いほうがいいと思いました。

金指さん幼稚園のお友達がイシドに通っていて「体験に来てみない?」と誘われたのがきっかけです。体験させてみたところ、本人がやりたいというので通わせることにしました。小学校入学の直前です。本人は「お友達も行っているので楽しそうだな」という、幼稚園の延長のようなお遊び感覚だったと思います。

五嶋さん上の子が別の学習教室で算数をやっていたんですが、ちょっと違うかな…という印象を持っていて。幼稚園ではそろばんを習っているお友達が多かったし、「いいよ」という評判も聞いていたので、下の子には「そろばん」を、と考えました。さっそく体験に行き、本人も気に入ったので、年長の2月に入会しました。

金指さんイシドについてはまったく知らなかったのですが、イシドに通わせているお母さんたちが、みなさん口を揃えて「いいよ!」と言うので…(笑)。みなさんがそんなに「いい」と言うなら体験してみようかな、という軽い気持ちからでした。

五嶋さんうちも「お友達が通っていたから」というのが一番の理由。「そろばん」をやるなら暗算の力をつけてほしいと思っていたので、「イシドは暗算に力を入れている」という評判を聞いて、希望に合っていると思いました。

木村さんそろばん塾に通わせようと考えたとき、調べたら一番近いのがイシドだったんです。習い始めは特にたくさん通ったほうがいいと思い、家から近いイシドがベストだと思って決めました。

木村さん先生方がとても丁寧でやさしい! ほめて育てるという印象です。家だとなかなかほめるのが難しいでしょう? でもイシドに行けば先生がほめてくださるから、うちの子は「そろばん」に行くのが楽しくて仕方がないみたい(笑)

金指さんそうそう、何かできるとすごくほめてくださるんですよね。子どもは、そうやって、ほめられたことが自信になっていくんですね。

五嶋さんイシドの先生は、愛のある厳しさ! ふだんとてもやさしい先生が、たまにびしっと愛のある喝を入れてくれる。たぶん私が言っても「うるさいな」としか思わないだろうけれど、先生の言葉だと素直に心に響くみたいで(笑)。先生の喝!のあとは変わりますよ。

木村さん「○○さんは、読み上げ算がすごいんだよ」というように、自分もそうなりたいと思える目標になる先輩たちが身近にいるのが大きい。恵まれた環境だと思います。

金指さん「そろばん妖怪カード」という、そろばんにちなんだキャラクターを集める楽しみがあったり、ゲームがあったり。子どもたちの興味を引くように工夫してくださってますよね。それも楽しく通える理由のひとつかなと思います。 

五嶋さんいろいろな小学校から集まっているので、学校も学年も関係なく友達ができるのもいいですよね。

金指さん伸びたのは、まずは計算力。学校のクラスでは群を抜いているみたいです。先生やクラスメートから「すごいね」と言われることが自信になっています。

五嶋さん「ふつうの努力じゃダメなんだ」ということを、小学校3年生で理解できているということが、すごいなと思います。憧れの先輩達が人の何倍も努力していることを、肌で感じているからかな。上手になりたいという向上心が強いですね。まあ、そこに行動が伴うかというと、まだちょっと難しいのだけれど(笑)

木村さん失敗してもあきらめず、チャレンジしていく姿勢が出てきました。すごい先輩達に、なんとか近づきたいという強い気持ちが原動力になっていると思います。

五嶋さん「そろばん」の時間になると、もう帰らなきゃって遊びを切り上げることができるようになりましたね。遊びたいときは遊ぶ、やらなきゃいけないことはやる、というメリハリがつけられるようになって、成長しているんだなあと感じます。

木村さん最初は応援のつもりで、一緒に練習をして競争していたんです。でも1年程前から、暗算で競うと子どもの方が早く終わることが続き、子どもが「あれ?」って。自分が母を超えたことを自覚した瞬間…。それからは、子どもが私に気を遣って一人でやっています(笑)。」争相手はもう無理なので、いまはタイム計測などで協力しています。

金指さん習い事をいくつも掛け持ちしているので、子どもにとって無理のないスケジュール管理が大切だと思っています。そこで「何曜日はこのコマに行こう」とか「この時間にお友達とも遊べるよ」とアドバイスしたり、話し合いながら決めてきました。最近では子ども自身の手でスケジュール管理できるようになっています。

五嶋さん習い事が重なる日など、疲れているんだろうなあという気配を感じることも。そんなときは、「この時間、○○君が来ているね」とか「今日は○○やるんじゃない?」というふうに、友達や教室でやることを思い出させてハッパをかけるんです。そうすると、「あ、そうだ、行かなきゃ」と元気に出かけていきます。基本的に「そろばん」が大好きなので、疲れた腰を上げさえすれば、数時間後には満足した顔で帰ってくる。そうやって、ときには背中を強く押し出してあげることも大事かなと思っています。

木村さんうちでは、なんとなく「行きたくない」モードを察知したら、送り迎えをいつもと変えてみます。「今日は歩いて行こうか」とか「自転車で行こうか」、「今日はあっちの道から行ってみよう」といった具合。いつもと違う道を歩いたり、違う風景を見たり…というだけでも楽しいみたい。気分が変わってモチベーションも上がるようです。

金指さんなるべく口出ししないようにしています(笑)。検定試験も上級になってくると、何回もダメだった…ということも出てくるでしょう? そういうとき、うちの子は「私はダメな人間だ」と落ち込んでしまうタイプ。そのうえ、私もつい「またなの?」と言いたくなってしまう。なので、あえて親はあまり口を出さず、先生方の指導を信頼して、見守るようにしています。子どもにとっても、親から言われるより、第三者から言われる方がすんなり入る部分があると思うので。

木村さん検定で苦労しているときは、自分で何をすればいいのかを考えるきっかけの言葉をかけています。たとえば、何がダメだったのかを聞いて、「そうか。じゃあ、何をすればいいの?」と。本人が答えを見つけたら、あとは「じゃあ、こうしてみようか」と一緒に考えてアドバイスしたりしますね。

金指さん物で釣る…というわけではないですが、「合格したら・・・ね」と、まあ、アイスクリームとかその程度ですけれど、そういうものをちらつかせてやる気を出させることも(笑)

五嶋さん弱音を吐いているときは、憧れている先輩の名前を出すのも効きますね。「○○君のようになるにはどうしたらいい?」って。「先輩みたいになりたいんだったら、真似してごらん」と言うと、「そうだよね、やるしかないよね」と、気持ちが切り替わるようです。

五嶋さん「やりはじめたら、がんばること。それができるなら、やってみよう!」という方針を大事にしています。やりたいということは、やらせてあげたい。でも、始めたのに途中で行ったり行かなかったり、というのはダメ。「がんばらないんだったらダメ!」とはっきり言っています。

金指さん子どもが打ち込めるものを見つけるサポートですね。いろいろな習い事をさせているのは、さかなクンのように、なにかひとつでも「これが好き、これだけは負けない」というものを見つけてほしいと思うから。それが「そろばん」じゃなくても、スポーツでもなんでもいいと思っています。

木村さん小さいうちにいろいろなことを経験させること。さまざまな可能性を実体験させてあげたい。体験したなかから、子どもが興味を注げるもの、自分の楽しみにつながっていくものが見つかればいいなと思います。いまは、「そろばん」が一番の楽しみになっているみたいです。